レポートに議論を取り入れる
レポートを書く時に、忘れてはいけない気持ちがあります。もしあなたがその気持ちさえ持っていれば、レポートらしいレポートが完成し、その後のスキルアップも容易になります。
実際のところ、さらっと読んだだけでも、完全にアウトなレポートというものは存在します。そういうレポートは最初から最後まですべて間違っているので、訂正箇所を示すことさえ困難です。
こういったレポートの特徴を挙げると、
・序論、本論、結論の区別のないレポート
・テキストの劣化版コピーになってしまったレポート
・議論する気のないレポート
などが挙げられます。ただ根本的な問題は、「議論する気のないレポート」という1点に集約されます。
そのためレポートを書く際に忘れてはいけない気持ちとは、「レポート内で議論をする」という気持ちです。もしあなたにこの気持ちさえあれば、次々にレポートは受かります。
そこで今回は、「レポートにおける議論」という切り口から、受かるレポートの条件について説明していきます。
なぜ人は議論するか
まずは「議論とは何か」から説明していきます。世の中でなぜ議論が行われるかと言うと、何かしらの議題があるからに他なりません。何の議題もなしに、議論を開催しようと思う人はいないからです。
このように議論に参加する人は、最初に解決したい問題を抱えています。ただ具体的な論点も分からないので、わざわざ議論を行うわけです。
以上が議論を行ういきさつになります。ここまでの理解だけでも、充分レポートに活かすことができます。
レポートにおける議題や論点は、すべてレポート課題の中にあります。これら無しに議論ができないことを考えれば、課題を正しく読解することの重要性が理解できます。
実際にレポートでは、問いさえ設定できれば、書くべき内容は自然に決まります。自分の問題意識を定めることができるからです。
このように議論を引き合いに出すことで、レポートにはテーマと問いが必須であることを理解できると思います。これらはレポートを書く前に明確にすることはもちろん、読み手とも共有する必要があります。
そのため、レポート内に明記します。
どこに書くかについても、議論をイメージすれば簡単に理解できます。議論では必ず、最初に議題を提示します。そうしなければ、参加者は何の情報も与えないまま、議論に参加させられることになるからです。
したがって、序論にはテーマと問いを明確してください。序論は書き手と読み手の意志を確認し、議論の準備という超重要な役割を持つのです。
議論の目的とレポートのゴール
それでは、実際の議論の方法を説明します。議論は何より、論理的である必要があります。客観的な推論によって、全員の納得を目指します。
そのためには、反対意見に耳を傾けることが重要です。反対意見を説き伏せることで、議論というものはより深まるからです。
レポートを書く際も、こういった気持ちを忘れてはいけません。この気持ちを持つだけで、展開に大きな変化が現れます。
どのように変化するかと言うと、「分かりやすく、説得力のある文章」が生まれます。自分の言いたいことが一番よく伝わる接続詞や助詞は何かと考えたり、根拠を挙げるための引用が立ち現れたり、議論を深めるために自分からあえて反論を用意したりするといった変化が生じます。
また、「節」の重要性も肌感覚で理解できます。
課題の要件を過不足なく説明するためには、文章を分ける必要性があると分かれば、自然と節が生まれます。そのため、書き手に「多角的に論じよう」という気持ちさえあれば、節を作らず一本調子で述べてしまおうなんて発想は、絶対にないわけです。
さて、議論の結末には、「答え」がないといけません。国会も会期中に結論がまとまらならなかった場合、再度議会を開いて答えを出すのと同じように、議論の究極的な目的とは答えを出すことに他なりません。
レポートを作る際も、この考え方は全く同じです。序論の問いに対して答えを出さなければ、そのレポートは致命的な欠陥を抱えていると言えます。こういったレポートは、読み手から「だから何?」という感想を持たれてしまいます。
そのため、あなたはまず、「読み手は答えを知りたがっている」という重要な事実を把握して下さい。
読み手は答えを見るために、そこまでの筋道を長々と読まされてきたにも拘わらず、最後の最後を曖昧にされたら、読み手の存在を完全に無視した文章であると言われても仕方ありません。
このようなわけで、レポートでは答えを出さなければなりません。答えが無ければ、レポートではないのです。
この超重要な答えは、結論に書きます。そのため、結論に要約やまとめを書いている人は、根本的にレポートというものを捉え違えています。
レポートとは、「議論の場」です。レポートを書く時は、この気持ちを忘れないようにして下さい。
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