サスペンスドラマ

「社会学史U」で学ぶ、要約の仕方

慶通のなかでも、1・2を争うほどお得なレポート

「社会学史U」の特徴は、自分で文献を決め、それについて要約することです。
そのため、人によって全く異なるレポートができ、その人の経験によって内容・構成の面で差が出やすいです。

 

また、一見何について述べていけばよいのか分からないので、なかなか進展しません。
しかし、これは逆に言えば、何を書いても正解であることを意味します。答えはすべて文献の中にあると思って、とにかく文献の読み込みに集中し、答えを探し出すといった気持ちが大切です。

 

また社会学史Uに限らず、慶應通信の社会学系レポートは、合格ハードルが低いことで有名です。特にこの科目は、社会学史Tとの相性やテキスト持ち込み可という、珍しいほどのお得な科目なのです。

 

実際に、私はレポート初心者にはまずこの科目から始めてもらい、しかも100%合格できている科目です。
文学部の方はぜひ取り組んでみてください。

 

@テキストを通読Aテキスト末尾「読書案内」の「Tウェーバー主要著作」に挙げられている文献の中から一つ選んで読むBその文献の要約Cその書物の観点から現代社会について考察する
※著作権の関係上、課題の文章は変えてあります。

要約のポイント

要約をするときのポイントは、一度内容を頭に入れてしまうことです。
自分の言葉でスラスラ述べられるようにならないと、要約はキツいです。何度も読み直し、メモなど取りながら筆者の主張を噛み砕いて理解しなければなりません。

 

しかし実際のところ、これだけではすぐに忘れてしまい、定着しません。
そのとき重要なことは時間を置くということです。知識は時間を置くことで自然に整理整頓されます。

 

実際に時間を置いて再読してみることで、その本のあらましが見えてくることを実感できます。この段階に至って要約を始めるようにしましょう。このように意外と時間がかかるものだということを認識してください。

 

よくあるのは、「読みながら書く」という方法ですが、それでは文献の劣化版コピーになってしまうか、そもそも内容を正しく捉えられないかのどちらかです。内容を正しくと捉えられない理由は、初見では文献の真意に気付くのが難しいからです。真意は必ず再読時に理解できるため、読みながら書くのでは行ったり来たりとなってしまい、かえって時間がかかります。

 

また、学術本は相互に関連した理論と独立した理論があります。これを把握して、詳細過ぎる箇所や例外的な部分は読み飛ばしても問題ありません。重要なことは全体の内容を理解することなので、自分にとって理解しやすいところを幹にして、そこから論旨を派生させていくと良いでしょう。

 

私の経験上、100ページ以上の文献を1日で終わらせようとすると無理が生じます。
たとえ通読できたとしても即日だとほとんど頭に入っていないからであり、したがってあえて一日寝かせてから取り組むというのが効果的です。
理解の深まりを感じた段階で要約を開始する、これは要約のサインなのです。

要約のアウトラインを決める

要約と言うと難しく聞こえますが、要は本の紹介になります。

 

あなた自身が選択した文献が、「どんな本なのか」「どういう事が書かれているのか」について、人に教えてあげるという心構えを持ってください。そうすると必然的に浅い理解で書くことはなくなり、全体の繋がりのなかで1つ1つの内容を捉えることができます。そしてあなた自身の思考が筆者の思考にたどり着くのです。

 

私は、マックス・ウェーバーの『国民国家と経済政策』という文献を選択したですが、この文献はウェーバーのドイツ国民への政治的無関心への警鐘といった内容です。

 

そのため、
@ドイツ国民がどういった状態なのか
Aそれがなぜ問題と考えているのか
B解決策はどのようなものか

 

このようにポイントを絞れば簡単に見えますが、結局のところ、要約には決まった型は存在しません。重要なことは、筆者の思考を追っていくということです。
その結果として、上記3点について解説していくことが決まったのです。

「社会学史U」公開分析

まず@に関しては、
ドイツの東部国境では良質な土地(平地)と悪質な土地(高地)にドイツ人農民とポーランド人農民が暮らしていたが、彼らの分布は特徴的である。平地の領主地にはポーランド人が、村落にはドイツ人が、高地の領主地にはドイツ人が、村落にはポーランド人が、それぞれ多きを占めていた。この2つの民族はある人口調査によって大きな差異を見せる。領主地から農業労働者が流出する事で平地からドイツ人が相対的に減少し、高地の村落の人口が増えることでその中のポーランド人は相対的に増加する。

 

このように述べます。この点は事実を述べるだけですので、そのまま引用しても構いません。
これらの問題点について、表面的には、

 

彼らは自分たちの子孫がこの様な生活を強いられる事に我慢ならなかった。ここでの考察としてウェーバーは人間としてのレベルが勝っている人種が、必然的に自らの生活を脅かしている現状の打開策を挙げている。

 

根源的には、
指導階級は本来国家繁栄について何よりも権力的価値に基づき考えるべきところ、如何ほどに政治に熟達しているかが問題になる。現代のドイツの危機とは政治を指導し、国策を最も心得てなければならない階級が経済的に没落して国の指導もままならない状態にある事、さりとてこれに代わる階級も十分な政治的成熟をしていないことである。プロレタリアートは自らを政治的に非力な存在とみなして、戦時中ともならなければ国策の重要さを忘れてしまう。

 

このように多角的に述べていきます。多角的と言っても、文献中で予め整理づけられていることはなく、複数の内容が繰り返し現れ、他と絡み合いながら書かれているだけです。
それを自分で再構成し、「表面的」や「根源的」という解釈をしているという書き方をしています。
このように要約では読み手による解釈の仕方で論述しても構いません。

 

 

そして、この文献ではBについても明確に述べていたので、要約しておきます。

 

そこでウェーバーは次のような国民的価値観を提唱した。すなわち国家の繁栄とは、国の権力の事である。ドイツという国家の威信こそが我々の子孫を地球上に誇る民族に育て上げる。我々の世代に多くの権力的支配権を勝ち取って、それらを未来のドイツ人に捧げるという「利他的精神」が求められる。

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