慶應通信の「社会学史U」のレポートをお見せして、レポートにおける要約の仕方を解説します。マックス・ウェーバー著「国民国家と経済政策」を扱っています。

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慶應通信の文学部で、1・2を争うほどお得なレポート

慶應通信の社会学系統の科目は、レポートの合格ハードルが低いことで有名です。特にこの科目は、「社会学史T」と知識を共有できる他、科目試験ではテキスト持ち込み可という、珍しいほどお得な科目です。

 

文学部の方は、このページを参考にして取り組んでみると良いでしょう。

 

レポート課題は、次のようなものが出題されます※著作権の関係上、課題の文章は変えてあります。

 

@テキストを通読Aテキスト末尾「読書案内」の「Tウェーバー主要著作」に挙げられている文献の中から一つ選んで読むBその文献の要約Cその書物の観点から現代社会について考察する

要約のサイン

要約のポイントは、何度も文献を読むことです。何度も読み返しながら、ノートを取って筆者の主張を噛み砕いて理解していきます。

 

再読の際は、時間を置くことも重要です。知識というものは、時間を置くことで自然に整理整頓されるからです。

 

よくある失敗は、「読みながら書く」という方法です。全体を理解しないうちから書き進めていくと、後ですべて書き直しになるか、文献の劣化版コピーになってしまうかのどちらかです。

 

誰でも、初見では表面上の理解しかできません。ただ、レポートで必要になる知識は、必ず再読時に習得できます。

 

そのため、読みながら書くのではかえって時間がかってしまうということを認識して下さい。

 

したがって、理解が深まった段階で要約を開始します。それでは、実際に要約していくところを見ていきましょう。

要約は「絞る」がポイント

「要約」と言うと難しく聞こえますが、要は文献の紹介です。その文献にはどんな事が述べられているのかを、目の前の人に教えてあげるイメージを持てば良いのです。

 

人に教えるという目的ができれば、必然的に浅い理解で書くことはなくなります。全体の繋がりのなかで、1つ1つの内容を捉えることができます。

 

その結果として、要約をしていると、あなた自身の思考が筆者の思考にたどり着くのです。

 

さて、マックス・ウェーバー著『国民国家と経済政策』という文献では、ドイツ国民へ政治的無関心の警鐘を鳴らしています。

 

ただ、すべてを均等に要約する必要はありません。筆者が重きを置いている箇所を中心にまとめます。

 

今回の場合、

 

ドイツ国民がどういった状態なのか
それがなぜ問題と考えているのか
解決策はどのようなものか

 

上記のポイントに絞って、筆者の思考を追っていきます。

「社会学史U」の要約

それでは、実際のレポートをお見せします。

 

まず、「ドイツ国民がどういった状態なのか」に関しては、

 

ドイツの東部国境では、良質な土地(平地)と悪質な土地(高地)にドイツ人農民とポーランド人農民が暮らしていたが、彼らの分布は特徴的である。平地の領主地にはポーランド人が、村落にはドイツ人が、高地の領主地にはドイツ人が、村落にはポーランド人が、それぞれ多数を占めていた。この2つの民族は、ある人口調査によって大きな差異を見せる。領主地から農業労働者が流出する事で、平地からドイツ人が相対的に減少し、高地の村落の人口が増えることで、その中のポーランド人は相対的に増加する。

 

このように要約します。事実を述べるだけなので、文献から引用しても構いません。

 

次に、「筆者はなぜこのことを問題と考えているのか」についてもまとめます。

 

表面的には、

 

彼らは自分たちの子孫がこの様な生活を強いられる事に我慢ならなかった。ここでの考察として、ウェーバーは人間としてのレベルが勝っている人種が、必然的に自らの生活を脅かしている現状の打開策を挙げている。

 

根源的には、

 

指導階級は、本来国家繁栄について何よりも権力的価値に基づき考えるべきところ、如何ほどに政治に熟達しているかが問題になる。現代のドイツの危機とは、政治を指導し、国策を最も心得てなければならない階級が、経済的に没落して国の指導もままならない状態にある事、さりとてこれに代わる階級も十分な政治的成熟をしていないことである。プロレタリアートは自らを政治的に非力な存在とみなして、戦時中ともならなければ国策の重要さを忘れてしまう。

 

このように、「抽象的→具体的」という手順で、多角的に述べていきます。ただ、文献中で予め整理づけられているわけではないので、文献内容を自分で再構成し、「表面的」や「根源的」といった解釈を与えます。

 

このように要約は、事実をベースとしながらも、読み手の解釈でまとめることができます。

 

最後に、「解決策はどのようなものか」についても、見ていきましょう。

 

そこで、ウェーバーは次のような国民的価値観を提唱した。すなわち国家の繁栄とは、国の権力の事である。ドイツという国家の威信こそが、我々の子孫を地球上に誇る民族に育て上げる。我々の世代に多くの権力的支配権を勝ち取って、それらを未来のドイツ人に捧げるという「利他的精神」が求められる。

 

「要約」については、こちらのページでも詳しく説明しているので、ご覧になってください。

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