「社会学史U」レポートで学ぶ、文献要約の仕方

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慶應通信の文学部で、1・2を争うほどお得なレポート

慶應通信の社会学系科目は、レポートの合格ハードルが低いことで有名です。他の科目と知識を共有できる上、科目試験ではテキスト持ち込み可など、専門教育科目とは思えないほどお得な科目となります。

 

そのため、文学部の方は、このページを参考にして真っ先に取り組むと良いでしょう。

 

著作権の関係上、レポート課題は掲載できませんが、文献を要約し、自分自身で立てた問題に対して考察を加えます。

要約のサイン

要約のポイントは、文献を何度も読むことです。読み返しながら、ノートに要点を整理し、大きな内容から小さな内容に向けて理解します。

 

文献を読む際、時間を置くことも重要です。知識というものは、時間を置くことで自然に整理整頓されるからです。

 

よくある失敗は、「読みながら書く」という方法です。全体を理解しないうちから書き進めると、文献の劣化版コピーになり、後ですべて書き直しになります。

 

誰でも、初見では浅い内容しか理解できません。ただ、レポートで必要になる知識は、その奥にある深い内容なので、一度目では絶対に理解できません。

 

このようなわけで、読みながら書くとかえって時間がかることを認識してください。

 

したがって、理解が深まった段階で要約を開始します。それでは、実際に要約していくところを見ていきましょう。

要約は「絞る」がポイント

「要約」とは、文献の紹介です。その文献にどのような内容が述べられているか、目の前の人に教えてあげるイメージを持ちます。

 

「人に教える」という目的を持てば、必然的に浅い理解で書くことはなくなります。全体の繋がりのなかで、1つ1つの内容を捉えようとします。

 

その結果、あなたの理解が著者の思考に辿り着くのです。

 

さて、マックス・ウェーバー著『国民国家と経済政策』という文献では、ドイツ国民へ政治的無関心の警鐘を鳴らしています。

 

要約の際、すべてを均等に述べる必要はありません。著者が重きを置く箇所を中心にまとめれば良いのです。

 

ドイツ国民がどのような状態か
それがなぜ問題と考えているか
解決策はどのようなものか

 

上記のポイントに絞り、著者の思考を追っていきます。

「社会学史U」の要約

それでは、実際のレポートをお見せします。

 

まず、「ドイツ国民がどのような状態か」に関しては、次のように要約します

 

ドイツの東部国境では、良質な土地(平地)と悪質な土地(高地)にドイツ人農民とポーランド人農民が暮らしていたが、彼らの分布は特徴的である。平地の領主地にはポーランド人、村落にはドイツ人、高地の領主地にはドイツ人、村落にはポーランド人が、それぞれ多数を占めていた。この2つの民族は、ある人口調査によって大きな差異を見せる。領主地から農業労働者が流出することで、平地からドイツ人が相対的に減少し、高地の村落の人口が増えることで、その中のポーランド人は相対的に増加する。

 

次に、「著者はなぜ問題と考えているか」についてまとめます。

 

表面的には、

 

彼らは自分たちの子孫がこの様な生活を強いられることに不満を感じていた。ウェーバーは人間として勝る人種が、必然的に自らの生活を脅かしている現状の打開策を挙げている。

 

根源的には、

 

指導階級は、国家繁栄について何よりも権力的価値に基づき考えるべきところ、如何ほどに政治に熟達しているかが問題になる。現代のドイツの危機とは、政治を指導し、国策を最も心得てなければならない階級が、経済的に没落して国の指導もままならない状態にあること、さりとてこれに代わる階級も十分な政治的成熟をしていないことである。プロレタリアートは自らを政治的に非力な存在とみなして、戦時中ともならなければ国策の重要さを忘れてしまう。

 

このように、「抽象的→具体的」という手順で、多角的に述べます。こうした点は、文献で整理づけられているわけではないので、文献内容を自分で再構成し、「表面的」や「根源的」という解釈を与えます。

 

このように要約は、事実をベースに、読み手の解釈をまとめることで進めます。

 

最後に、「解決策はどのようなものか」についても見ていきましょう。

 

そこで、ウェーバーは次のような国民的価値観を提唱した。すなわち国家の繁栄とは、国の権力である。ドイツという国家の威信こそが、我々の子孫を地球上に誇る民族に育て上げる。我々の世代に多くの権力的支配権を勝ち取り、それらを未来のドイツ人に捧げるという「利他的精神」が求められる。

 

「要約」については、こちらのページでも詳しく説明しているので、ご覧になってください。

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