「生物学(第3回・完)」レポートで学ぶ、テーマと問いの設定

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課題を読むと同時に、レポートの展開をイメージする

レポート課題を読んだ瞬間、結論までの流れが思い浮かべば、かなり上達したと言えます。これはそこまで難しくなく、次の能力を身に付ければ、誰でもできるようになります。

 

レポート課題の中から適切なテーマを決める

 

テーマを設定することで、「教授は何を求めているか」、「このレポートでは、どんなことを取り上げてほしいか」が明確になります。これにより、レポート課題から逸れることを防げます。

 

今回は、「生物学」のレポートをお見せしながら、「テーマ設定」について説明します。

 

著作権の関係上、レポート課題は掲載できませんが、前半で「自然破壊の原因と現状について」説明してテキスト理解を示し、後半で「人間との関連について」考察を加えることが本題です。

レポート課題からテーマと問いを設定する

これだけでもレポートの流れが見えてきますが、まだ書き始めてはいけません。

 

まずは、テーマを設定しましょう。テーマはレポート課題の内容を「〜について」の形でまとめるので、「人と自然の共生という問題について」となります。

 

ただ、テーマだけでは論点が決まらず、話が拡散してしまいます。そこで、「問い」を設定します。

 

問いは、それに答えることでテーマについて説明できるような、端的な疑問文です。

 

今回のテーマである「人と自然の共生という問題について」を説明するには、「自然との共生で、人ができることは何か?」という疑問文に答えることで可能になります。

 

つまり、この問いに答えを出せた時点で、レポートは完成するのです。

展開を決めてアウトライン作成

このようにしてレポートの方向性が決まったので、アウトラインを作成します。

 

まずは、自然破壊の例を選ぶ必要があるので、「自然再生の重要性が述べやすそうな生態系」という視点を持ちましょう。

 

私が選んだ自然破壊は、「サンゴ礁問題」です。理由は、サンゴ礁問題と海水面の上昇について述べられた文献が多く存在するからです。

 

そこで、文献内容から次のように展開を決めます。

 

気候変動とサンゴ礁問題の関連性について説明する

 

サンゴ礁の現状について、人との関連で述べる

 

自然との共生について考察を加える

 

これをもとに、次のように節立てします。

 

第1節:気候変動

 

第2節:サンゴ礁の諸機能

 

第3節:温暖化と白化現象

 

第4節:サンゴ礁問題についての取り組み

考察を加えて結論を導く

それでは、第4節をお見せしながら、結論の導き方を解説します。

 

第4節:サンゴ礁問題についての取り組み

 

根拠を必ず書く

レポートでは「なぜそう考えるか」は必須です。自由に述べるのは構いませんが、必ず理由はセットです。

 

共生に対する意識が低い社会を見る限り、私には地域レベルからの環境問題の普及が重要であるように思われる。環境保全に向ける個人の意識の高まりがなければ、国レベルの政策も最大限の成果を期待できないからである。

 

自分なりの考察を加える

具体例を出して、考察を加えます。現状を述べることで、浮かび上がってくる問題点を指摘しましょう。

 

その点で、自然再生推進法(2003年)は良い発想に立っている。「地域主体での環境保全活動を求める」というこの法律は、内閣に相談窓口を設けているが、あくまで自然再生に対する一人ひとりの理解に重点をおくという特徴がある。しかしながら、サンゴ礁保護海域に沖縄県の石西礁湖と高知県の竜串湖を指定した他に特に具体的な策定が見られない点が不安要素であり、今後の課題であると言える。

 

これだけでも十分ですが、別の視点からも考察を加えることで、さらに評価が上がります。

 

また、世界各地ではサンゴ保全海域を設置している。これにより、サンゴ礁を侵食するウニ類の減少や海洋生物の多様性を実現しているという。このような保護海域の設置は、非常に効率の良いサンゴ礁保全政策と言えるが、漁業関係者や旅行関係者との利害との調整は無視できない問題となる。政策の決定に先立ち、これらの人たちとの相互理解が必要である。

 

世界規模の現状について、具体的に述べます。良い点だけでなく、問題点まで指摘することで考察を深めます。

 

結論を明記する

問い「自然との共生で人ができることは何か」に対する答えを出します。

 

最後に、地球レベルの対策を述べる。日本では2007年に第3次生物多様性戦略が打ち出され、生物多様性と地球温暖化の関係が大きく取り上げられた。この中で、農林水産省や環境省はサンゴ礁保全のための具体的な指針を掲げているが、これはサンゴ礁に限った話ではない。人間と自然の共生を実現するには、温室効果ガスの排出量の削減が早急の課題と言える。

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