「論理学」レポートで学ぶ、正しい説明順序の組み立て方

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実は身近な「論理学」

このページでは、「論理学」のレポートについて説明します。

 

「論理学」と聞くと、あまりなじみのない学問と思いがちですが、実はほとんどの人が一度は勉強したことがある分野です。有名なのは数学の「証明」や「集合」などの単元で、これらは「論理学」出身の学問分野なのです。

 

著作権の関係上、レポート課題は掲載できませんが、レポートのテーマは「真理関数理論と量化理論の違いについて」となります。

 

真理関数理論と量化理論では、正しい推論を規定する方法が異なります。そこで、「真理関数理論と量化理論では、正しい推論の規定はどのようような点で異なるか。」と問いを立てることで、レポートの展開が見えてきます。

アウトライン作成の準備

当レポートでは「真理関数理論」と「量化理論」を分けて説明するため、次のように章立てを行います。

 

第1章:真理関数理論

 

第2章:量化理論

 

第3章:相違点

 

章の中に節を立てるので、レポートで述べるべき項目を書き出します。

 

第1章では、

 

真理値分析で使用する「文-記号」「論理式」「真理表」の導入

 

「推論式」の定義と推論例

 

正しい推論の規定

 

三段論法との関係性

 

真理関数理論の限界

 

第2章では、

 

演繹で使用する命題関数と量化記号の導入

 

「汎化」「例化」など推論規則の紹介と推論例

 

正しい数論の規定

 

第3章では、両理論の違いについて述べ、これを結論とします。

真理関数理論の解説

それでは、レポートを作る上で重要なポイントを解説します。

 

真理関数理論と量化理論では、推論方法が違います。そのため、ある推論が正しいと言えるかの決め手にも、違いがあります。

 

簡単に言えば、真理関数理論は推論式を真理値分析して恒真となるかどうか、量化理論はさまざまな推論規則を使って前提から結論を導けるかどうかです。

 

この点はとても重要なので、実際のレポートをお見せしながら、理解を深めていきましょう。

 

第1章 第4節:正しい推論

 

正しい推論と論理式の間には、どのような関係があるだろうか。本節では、真理関数的に正しい推論というものを明らかにしていく。

 

私たちが直感的に正しいと感じる推論を例に挙げ、考察を加える。

 

(前提1)「私は晴れたら、遊びに行く。」
(前提2)「私は遊びに行ったら、野球をする。」

 

(結論)「したがって、晴れたら野球をする。」

 

この推論は、誰もが疑う余地なく、直感的に正しいと感じるはずである。そこで、真理関数理論に則り、以下のように分析する。

 

まず、「晴れる」に文-記号「p」、「遊びに行く」に文-記号「q」、「野球をする」に文-記号「r」を与える。その結果、前提1は「p→q」、前提2は「q→r」、結論は「p→r」となる。前提の連言と結論を条件法にし、推論式は((p→q)∧(q→r))→(p→r)となる。

 

この推論式の真理値分析の結果、以下の真理表のように恒真となる。

 

 

つまり、上記の推論は、前提の真偽にかかわらず、それを正しいと認めたとき、結論が必ず恒真になることを意味する。このことから、推論に対応する推論式が恒真であるとき、正しい推論だと言える。

 

いかがでしょうか。

 

真理関数理論では、推論式が恒真であれば正しい推論となります。ただ、なかには直感的に明らかに正しいのに、推論式が恒真とならない推論も存在します。

 

その理由は、命題そのものに記号を充てることで、文相互の語の役割が無視されてしまうためです。この点は量化理論に繋がるので、きちんと理解してからレポートを書いてください。

 

また、推論例はテキストから引用するより、自分で考えた方が評価は高くなります。オリジナルの推論に対して真理表を作成し、恒真となることを示しましょう。

量化理論の解説

次に、量化理論のポイントについて、実際のレポートをお見せしながら解説します。

 

第2章 第5節:正しい推論

 

(前提)「すべての馬は動物である。」
(結論)「馬の頭はすべて動物の頭である。」

 

前提を「どんなものxに対しても、xが馬ならば、xは動物である。」と言い換え、「F(x):xは馬である」、「G(x):xは動物である」を導入すると、この前提は「∀x(F(x)→G(x))」と記号化できる。

 

同様にして、結論を「どんなものxに対しても、xが馬の頭ならば、xは動物の頭である」と言い換えると、「H(x):xは馬の頭である・I(x):xは動物の頭である」を導入することで、「∀x(H(x)→I(x))」-@と記号化できる。

 

しかしながら、この記号化では、前提と結論の間に共通の記号が見られない。「馬」と「馬の頭」の関係について、私たちは「馬」には「頭」があり、それが「馬の頭」であることを当然に認めているが、この点も推論式上で定義する必要がある。

 

そこで、「H(x,y):xはyの頭である」を導入する。その結果、結論は「∀x(ヨy(F(y)∧H(x,y)→ヨy(G(y)∧H(x,y))」と記号化できる。

 

推論を始めるにあたり、次の前提を追加する。任意の馬の頭を取り、それをuと名付け、「ヨy(F(y)∧H(u,y))」という前提である。

 

uを頭とする馬がいるから、その馬をVと名付けることができる。この存在例化により、「F(v)∧H(u,v)」-Aが得られる。

 

前提ですべての馬が動物であることを、そしてvという馬がいることから、vは動物であるといえる。この普遍例化により、「F(v)→G(v)」-Bが得られる。

 

BとCを真理関数的に扱い、BのF(v)の場所をG(v)に置き換える。よって「G(v)∧H(u,v)」-Dが得られる。

 

Dはuを頭とする動物vがいることを示し、特定の存在が認められたら、それと同種のものの存在保証が認められる存在汎化により、「ヨy(G(y)∧H(u,y))」が得られる。-E

 

AとEを条件化して、「ヨy(F(y)∧H(x,y))→ヨy(G(y)∧H(u,y))」-Fが得られる。

 

ここで、uは任意の馬の頭であったので、すべてのものに対して成り立つと言える。この普遍汎化により、「∀x(ヨy(F(y)∧H(x,y)→ヨy(G(y)∧H(x,y)))」という結論が得られる。

 

いかがでしょうか。

 

命題が正しいかどうかは、主語と述語の関係によって決まります。量化理論では、この命題関数という考え方を導入し、命題の主語と述語を区別して記号化します。

 

また、複雑な推論に対応させるため、「すべての」や「ある」を意味する量化記号や、独自の4つの推論規則や真理関数の条件法も取り入れます。

 

したがって、量化理論は、真理関数理論の不十分性を補う「拡張した理論」とみることができるのです。

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