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論述型レポートを定義する「問い」
論述型レポートは、問いによって定義されます。これほど重要な「問い」ですが、多くの人は存在にすら気づいていません。
このページでは、問いの重要性について、できるだけ分かりやすく解説します。
私が「問い」の存在を初めて知ったのは、慶應通信の3年目の終わり頃、まさにレポートに悩んでいたときでした。その悩みは今から思えば、「論述型レポートが書けない」というものでした。
そこで、きちんと序論や結論を作り、語尾を「〜と思われる。」などとレポート風に修正しましたが、合格率は一向に上がりませんでした。
それもそのはずで、これらはピントのズレた対策だからです。
レポートが合格できない真の原因とは、論述の要件を理解していないことなので、表層的な部分だけ直しても意味がありません。
それに気づいて試行錯誤をした結果、行き着いた答えがあります。
それが、レポートの中に「問いを立てる」ことです。
分かってしまえば、論述の要件はとてもシンプルです。
論述とは、文章全体が自分なりの問題意識、つまり「問い」に対して展開されているかどうかで決まります。
そのため、レポートの中に「〜だろうか?」という疑問文があるだけで、あらゆる文章は論述に早変わりするのです。
問いによって論述が生まれる
レポートが難しく感じる理由の一つとして、普段の生活であまり出会うことがないということがあります。私たちが目にするほとんどの文章は、ほとんどが説明の形になっているからです。
多くの人は、作文、報告書、感想文など様々な文章を書いてきたと思います。
これらの文章に共通する特徴は、問いがないことです。一通り説明したら終わりなので、わざわざ問題提起したり、考察を加える必要がありません。考えたことを自由に書くことができます。
ただ、これと同じ気持ちで書いていたら、レポートは決して合格できません。
そこで、すべての文章を論述へ変える方法を教えます。
「運動会のリレーについて」というお題があるとします。このお題のもとで、「自由に文章を作ってください。」と言われたとき、次の2通りの人に分かれます。
A:放課後毎日練習して、一等賞になれて、とてもうれしかったです。
B:放課後毎日練習して、一等賞になれて、練習の大切さを学びました。
Aは事実を列挙しているだけなので、ただの説明です。一方、Bは事実から「何が言えるか」を考察しているので、考察です。
これが、説明と論述の違いです。
この違いは何によって生まれたかと言うと、具体的な「問い」があるかどうかです。
実際に、Bの文章の裏には「何を学んだか?」という自問自答が存在します。また、Aの文章に「何を学んだか?」と問えば、Bの文章に生まれ変わります。
このように、問いによって論述が生まれるのです。
この点こそ、論述型レポートの本質です。
私が3年目以降加速した、たった1つの理由
私は入学後3年間で30単位しか履修できませんでしたが、その後の2年間で100単位以上履修し、1年間で卒論を完成させました。
私が3年目以降、劇的に変わった理由はただ1つです。
「問い」を設置したことです。
「問いがあるだけで、レポートは論述に昇華する」という事実に気付くだけで、卒業への道が開かれるのです。
このように断言できる理由は、「問いを立てる」ことに付随する、合格に必須となる要素がたくさんあるからです。
例えば、問いがあれば、論点を定めることができます。上の例では「何を学んだか?」と問うことで、「練習の大切さ」という新しい視点を持つことができました。
このような視点から文章を展開することで、論述に深みが出ます。同時に、余計な文章を省くことで、レポートで本質となる内容を理解し、結論へのアプローチを見つけられます。
これほど重要な「問い」ですが、多くの人は存在にすら気づいていません。
その理由は、レポート課題に書いてないからです。
例えば、「代替財と市場の関係について論述しなさい。」というレポート課題には「問い」はありません。
ただ、この課題を言葉通り受け取り、市場における代替財の概念だけを述べたら不合格となります。それは説明であり、論述ではないからです。
この説明を論述へ変えるには、代替財を論じるための問いが必要です。「代替財はどういう状況で生じるだろうか?」などの疑問文です。
このような具体的な問題意識を持つことで、初めて論述が可能になります。
このページの内容は非常に重要なので、必ずレポートに取り入れてください。
そのレポートが返却されたとき、この情報が本物であることが分かるはずです。
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