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一行要約の実例
要約のテクニックに「一行要約」という方法があります。
一行要約とは、節ごとに各段落で最も重要な文をピックアップし、それらを繋げて文章にする方法です。一行要約を習得することで、文献の範囲が広い場合も効率的に要約行い、かつ文献の理解度を高めることができます。
このページでは、具体的な方法について解説します。
以下、文献から1節を引用します。
学習と教育の違い
@教育と学習はよく混同される。発達は個体や集団の学習の過程と結果を含んでいるから、教育は子どもや青年の学習活動と深い関係のなかでしか成立しようがない。しかし教育はこの学習過程への教育者の助成的介入のしごとであって、これを介入の対象である子供や青年の学習活動そのものといっしょにしてしまうのは誤りである。
Aまえにのべたように、教育は子どもたちのおこなうこの自力での学習活動に、まえもっての、あるいはあとからの破綻をよみとって、その学習活動を助成するしごとだから、学習(learning)ではなく学習の練習とみるべきである。学習と学習の練習は区別すべきである。練習はいつまでもつづく行為ではないから、教育は非日常的であり、系統的という意味で線的行為である。これに対し、学習は、個体がつねに行っているという意味では日常的であるが、それが試行錯誤を含んでいつも成立しているとは言えないという意味では、点的な瞬時の事件である。
B学習心理学はこの瞬時の行為がどのようにして成立するかを、連合説、認知説、精神分析論などさまざまにモデル化してきた。また、この学習を、感覚、地殻、記憶、認識などの次元、領域に区別しかつ統合しながら研究してきた。教育学ではこれらの学習心理学と重なるところが多いが、これに解消されるものではない。(『教育学第一歩』23頁より引用)
それでは、実際に一行要約を行います。
複数の段落からなる文章を要約する場合、各段落のうち一番重要な文をピックアップしましょう。
その結果、以下のように一行要約を作ることができます。
@教育は教育者の仕事であり、学習は子どもの活動なので、両者は異なる。
A教育は系統的に行うが、学習は瞬間的に行う。
B学習心理学は瞬時の行為を対象にしているが、教育学は違う点を対象にしている。
続いて、これらを繋げて文章にしましょう。
その結果、次のような全体の要約が完成します。
学習と教育の違い
教育は教育者の仕事であり、学習は子どもの活動なので、両者は異なる。教育は系統的に行うが、学習は瞬間的に行う。学習心理学は瞬時の行為を対象にしているが、教育学は違う点を対象にしている。
いかがでしょうか。教育と学習の違いについて端的にまとまっていることが分かります。
このように正しい要約をすることで、文献の要点を短くまとめることができ、同時に文献の理解度も高まります。
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