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テキスト理解の本当の意味
レポートはテキスト内容がベースになります。テキスト内容をきちんと理解した上で、自分なりの考察を加えることで、論理的で説得力ある文章を書くことができます。
このとき、「テキスト理解」とは、単にテキストや文献内容を理解するだけではありません。
テキスト内容を正確に理解していることを、読み手に示すことも含まれます。
このページでは、そのためのノウハウについて説明します。
当たり前ですが、テキスト理解を示すには、テキスト通りの内容を述べる必要があります。
そういった意味では、「要約」と似ています。単なる要約との違いは、自分なりの解釈を補足する点にあります。
これについて例を挙げて説明します。
1文目:「マルクスの理論では、国家は階級ごとに存在する共通利益を促進するための根本的利己主義の上に成り立つという。」
2文目:「階級とは組織された共通利益を求める集団であり、彼の国家論によれば各々の階級利益は国家利益より優先されるという。」
3文目:「とりわけ資産階級の利益は強く優先され、マルクスには国家が「資産階級の執行委員会」である利己的な階級像として映っていた。」
4文目:「彼によれば、ストも階級の潜在的利己主義が表面化したに過ぎず、常に自らの利益の妨害となる階級を意識しようとする点で合理的な個人を仮定している。」
5文目:「しかし、この点はミルズによって批判されている。」
6文目:「大多数の国民は無知であって、マルクスが述べる様には階級間の争いは起こらないためである。」
7文目:「したがって、ある程度の合理主義と、スト参加に伴う負担を考慮した功利主義が実際の姿である。」
こちらの文章では、3文目まではマルクス理論についてテキスト内容をまとめています。
ただ、これだけでは、テキスト内容を理解していることを示すことができません。
そこで、4文目では、テキスト内容に対する自分なりの解釈を述べています。これにより、テキスト内容の理解を示すことができます。
このように、テキスト内容に対する自分なりの解釈を補足することで、テキスト理解と認められるのです。
対立意見を挙げる有効性
次に、テキスト理解を深める方法について説明します。
多くの人は、自分の解釈が正しいことを示すために、自分の意見を並べようとします。ただ、私見を重ねるだけでは説得力は上がらないので、別の方法を取りましょう。
ポイントは、対立意見や反対意見を見つけることです。
単一の理論より対立意見を挙げた方が、説得力が上がるからです。
実際に、先ほどの文章ではマルクスの主張だけでなく、ミルズの主張も挙げています。対立意見を加味した方が客観性が増すので、よりテキスト理解を示すことができるためです。
そのため、文献から対立意見を見つけられたら、大きなチャンスだと思ってください。対立の論点を正確に理解し、それを記述できれば、テキスト理解としてはこの上ないからです。
なお、テキスト理解では、そのうちのどちらが正しいかまで言及する必要はありません。私見や感想は不要なので、テキストや文献通りの内容について、上述のようにまとめるだけで良いのです。
このようにテキスト理解を捉えることで、レポートでどのような文章が求められているかを理解することができます。
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