どうすれば慶應生になれるのか？：慶通生のアイデンティティ問題

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慶通生に向けられるイメージ

慶應義塾大学の中で、慶通生ほど曖昧な身分はありません。卒業できればれっきとした慶應卒ですが、そうでなければ中退にもならないからです。

在籍中にどれだけ頑張っても、卒業するまでは評価されないので、いかにしてアイデンティティを保つかが重要になります。

このページでは、卒業にも関わる慶通生のアイデンティティ問題について解説します。

私は自分の最終学歴について、必ず「慶應義塾大学の文学部」と名乗ります。間違っても、「通信教育課程」というワードは口にしません。

卒業しているので、これはまったく問題ありませんが、そもそも在学中から「慶通生」と名乗らないようにしていました。

世間が持つ「通信教育課程」に対するイメージがあまりにレベルが低く、正直に名乗っても損しかしないからです。

これに関して、私には苦い経験があります。

私は入学当初こそ「慶通生」と名乗っていましたが、その度に「高校も通信だったの？」「家庭に問題があったの？」などと謎の同情をされました。最もインパクトがあったのは、「慶應って言ってたけど、通信なんでしょ？」と言われたことです。

また、自分と同じ慶通生から、「卒業しても並の4大の評価すら受けられない」「通信にいたことは一生ひきずる」などと、激しくやる気を削ぐことも言われたこともあります。

もちろん、これらは意味不明の対応であり、誤った情報です。特に慶通生でこのようなことを言っているのは、卒業を諦めてしまった人ばかりなので、きちんと努力している人への僻みでしかありません。

ただ、私にはこのような苦い思い出があり、慶通生としてのアイデンティティを模索する日々が始まりました。

慶通生が抱く疑問

当たり前ですが、私自身は、慶應通信に対してネガティブな印象などまったくありません。

慶應通信の学びは他では得られず、挑戦すること自体に大きな意義があります。学位を踏まえたら、10年かけても卒業する価値がある唯一の大学であると断言できます。

ただ、慶應通信には内部にさえ様々な雑音があります。そういう人たちは何の根拠もなく好き勝手なことを言っているので、情報がない人は翻弄されてしまいます。

その結果、慶應通信の勉強内容に対して、疑問を持ち始めます。

「慶應通信を卒業したら、通学生と同等の学力が身に付くのか？」という疑問です。

実際のところ、慶應通信の学びは、多くの人がイメージする大学の勉強とは乖離があります。基本的にレポートを書くだけなので、卒業できたとしてもどれだけの学力が身に付くのか疑問に思ってしまうのです。

ただ、これについては何も心配する必要はありません。

レポートはそう簡単に合格できないので、数をこなせば受験勉強や講義以上の学びがあります。また、後述しますが、勉強しているうちにこういった雑念は消え失せ、代わりにやりがいと自信が生まれます。

このような意識変化の先に卒業があるので、卒業生の中に実力が伴わない人は1人もいません。安心して努力してほしいと思います。

慶通生としてのアイデンティティ

ここまでの話に関して、今でも鮮明に覚えている言葉があります。

「卒業時には、あなたは今のあなたとは別人になっている」という入学式の式辞です。

卒業した今なら分かりますが、この言葉は真実です。学力はさることながら、別人になるほど、自らのアイデンティティについて模索するからです。

自分は本当に慶應生と言えるのか

何をもって慶應生と言えるのか

どうすれば慶應生になれるのか

私は慶通生時代、本当の慶應生になりたいと常々考えていました。慶通生である自分は、このままでは通学生のようになれないのかと悩んでいたのです。

ただ、この悩みはあるタイミングで氷解し、自らのアイデンティティに対する答えが出ました。

卒論執筆です。

慶通生としての集大成である卒論を書いているうちに、今までこだわっていた区別自体、非常にナンセンスであることに気付いたのです。

卒論執筆時、ただあるのは、慶應の学問をしている自分でした。

慶應生であることに通学も通信もなく、最終的には慶應の学問しているかどうかで、すべて決まるということに気付いたのです。

このページを読んでいる人の中に、もし慶通生としてのアイデンティティに悩んでいる人がいたら、その答えは最後の最後に見つかります。

そのとき、あなたは今のあなたとは別人になっているはずです。

慶應通信を卒業するための思考：慶通生のアイデンティティ問題