慶應通信のレポートの書き方:レポートにおける引用の意義

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科学的態度を示す「引用」

テキストや参考文献、学術論文には、必ずと言って良いほど先行研究からの引用が見られます。これは、科学のあるルールを守るために行われています。

 

「自分の研究は、先行研究の上に積み重ねなければならない」というルールです。

 

科学の世界では、先行研究を無視した意見は、根拠がない主張と見なされます。実際に誤りであることが多く、新説として認められることはほとんどありません。

 

したがって、9割以上は先行研究を踏襲して、ほんの少しだけ自分の意見を述べます。これが科学的態度というものです。

 

私たちもレポートを通じて、この科学的態度を守らないといけません。

 

そこで、参考文献から「引用」を行う必要があります。

 

このようなわけで、引用はレポートに必須です。

 

説明型レポートの場合、テキスト内容を自分の言葉で説明することが要件なので、テキスト理解を示すために引用を行います。

 

論述型レポートの場合、テキスト内容に考察を加えることが要件なので、考察の土台としてのテキスト理解を示すために引用を行います。

 

このように、引用はテキストという先行研究を踏襲するという役割を持ちます。

テキストや文献から引用すべき箇所

レポートの文章が持つ特徴として、「公共性」と「客観性」があります。簡単に説明すると、公共性とは分かりやすい文章、客観性とは正しい文章という意味です。

 

引用は、このうち客観性を保持します。

 

あなたの書いた文章が信頼に足るかどうかは、テキストや文献から根拠を引用しているかどうかで決まります。

 

したがって、闇雲に引用しても意味がありません。なぜその文章を引用したかという意図を、きちんと読み手に示すことが重要です。

 

そこで、効果的な引用箇所を教えます。

 

引用は「定義づけ」、「数値」、「根拠」の3点に対して行いましょう。

 

「定義づけ」とは、用語の概念に対する説明です。

 

定義づけは正確さが重要です。定義づけが変われば、レポート全体を修正しないといけない場合もあるので、自分の言葉に直すのではなく引用しましょう。

 

また、「数値」を示す際も引用を行います。

 

具体的なデータは、レポートに説得力を持たせる上で重要な意味を持ちます。正確な情報であることを示すために、数値は引用しましょう。

 

最後に、「根拠」です。

 

主張には根拠が必要です。「なぜそんなことが言えるのか?」と読み手に疑問が生じないように、背景となる理論を引用しましょう。

 

いずれの場合も、引用自体の客観性を示すために、出典を明らかにする必要があります。後から誰でも確認できるように、引用文の直後か脚注に出典を明記してください。

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