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受動態とは
受動態とは、自分が動作を行うのではなく、人からある動作を受けるときの表現です。「〜する」ではなく、「〜れる」「〜される」と訳すことが特徴です。
受動態の公式
be動詞+P.P./〜される※P.Pは動詞の過去分詞形
受動態の理解を深めるために、まず能動態の文に触れておきます。
He teaches English.
(彼は英語を教える)
主語と動詞の関係を見てみると、「彼」が「教える」ので、動作の主体は主語です。このような文を能動態といい、受動態と区別されます。
Engllish is taught by him.
(英語は彼によって教えられる)
主語と動詞の関係は、「英語」は「教えられる」ので、主語は動作の主体ではなく、動作の対象になります。これが受動態です。
次に、受動態の否定文と疑問文について説明します。
受動態は公式にbe動詞を含むため、be動詞の文に分類されます。そのため、否定文では「be動詞+not」、疑問文では「be動詞を主語の前に出す」というbe動詞の原則が適用されます。
受動態の否定文の公式
be動詞+not+P.P./〜されない
Engllish is not taught by him.
(英語は彼によって教えられない)
受動態の疑問文の公式
be動詞+S+P.P./〜されますか
Is Engllish taught by him?
(英語は彼によって教えられますか)
答え方もbe動詞のルールに従うので、be動詞で聞かれたらbe動詞で受けます。
‐Yes, it is.
(はい、そうです)
‐No, it isn't.
(いいえ、違います)
受動態の作り方
能動態の文を受動態の文へ書き換える場合、以下の手順で行います。
@目的語を主語にする
A動詞を「be+P.P.」にする
B元の主語を目的格にして「by」以下に置く
He teaches English.
この能動態の文を上記の手順で受動態に変えてみます。
目的語の「English」を主語にします。
動詞の「teaches」を「is taught」にします。
主語の「He」を目的格「him」にして、「by him」を置きます。
この結果、次の受動態の文ができます。
English is taught by him.
ここまでの過程における注意点を述べていきます。
まず動詞の時制です。元の文の時制と、書き換えた受動態の時制を変えてはいけません。
元の文の動詞が過去形で書かれていたら、受動態の文も過去にする必要があります。その場合、be動詞を過去形にして「was/were P.P.」とします。
元の文の動詞が未来形の場合は「will」を用いて、「will be P.P.」とします。be動詞は、助動詞「will」の後なので、必ず原形である「be」でないといけません。
次に、主語を目的格にする際の注意点を説明します。
代名詞には、「主格」「所有格」「目的格」といった格があります。
主格(〜は) | 所有格(〜の) | 目的格(〜に・〜を) | |
---|---|---|---|
私 | I | my | me |
あなた、あなたたち | you | your | you |
彼 | he | his | him |
彼女 | she | her | her |
それ | it | its | it |
彼ら、彼女ら、それら | they | their | them |
私たち | we | our | us |
表の3行目、ラインマーカーをした語が目的格です。
受動態の文では、なぜ主語を目的格にするかというと、「前置詞の後は目的格を置く」というルールがあるためです。「by」は前置詞なので、後ろは目的格でないといけません。
また、必ずしも「by」は必須ではありません。主語が特定の人物であれば書く必要がありますが、便宜上置かれたような主語の場合は省略します。
例えば、次の能動態の文の主語「they」は、
They speak English in Austlaria.
(オーストラリアの人は英語を話します)
オーストラリアに住む人一般を指す、便宜上の主語です。これを受動態にして、「by them/彼らによって」と書いてしまうと、「彼らとはだれか」が分からなくなってしまいます。
その場合、次のようにby以下を省略します。
English is spoken in Austlaria.
(英語はオーストラリアで話されます)
目的語が2つある文の受動態
英文には目的語が2つある文が存在します。第4文型「SVOO」の文です。受動態の文は目的語を主語にして作るので、目的語が2つあれば2種類の受動態の文が作れるということになります。
He gave me a present.
(彼は私にプレゼントをくれた)
こちらの文には、目的語が「me」「a present」の2つあります。そのため、次の2通りの受動態の文ができます。
I was given a present by him.
(私は彼からプレゼントをもらった)
A present was given me by him.
(プレゼントは彼によって私にあげられた)
どちらも意味は同じですね。主語にならなかった方の目的語は、通常の英文法の語順通り、動詞の次に置くということも覚えておいてください。
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