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助動詞とはなにか
助動詞とは、その名前の通り、動詞の意味を補足するものです。「動詞に細かいニュアンスを付け足す」と考えておきましょう。
例えば、「〜してもよい」と「〜しなければならない」と言われるのでは、強制の強さが違いますね。この違いを表現するのが助動詞です。
公式
助動詞+動詞の原形
まず気を付けることは、主語の人称や時制に関係なく、必ず動詞は原形になることです。このことについて、助動詞「can」を用いて大まかな理解をしていきましょう。
I can play soccer.
(私はサッカーをすることができます)
He can play soccer.
(彼はサッカーをすることができます)
原則、主語「He」に対しては、動詞に三単現のSが付きます。しかし助動詞の直後の動詞は、主語の人称にかかわらず原形で書きます。
次に否定文を見ていきます。
I can't play soccer.
(私はサッカーすることができません)
助動詞の否定文では、助動詞の直後に「not」を置きます。例文は短縮形を使っています。
上の文と比べてほしい文がこちらです。
I don't play soccer.
(私はサッカーをしません)
こちらの文は助動詞を用いない普通の否定文なので、上記のように和訳します。
こちらが「できるけどしない」と取れるのに対し、助動詞を使った文では「完全にできない」ことを意味します。このようなニュアンスの違いを助動詞は表現できます。
次に疑問文を見てみましょう。
Can you play soccer?
(あなたはサッカーをすることができますか?)
‐Yes, I can.
(はい、できます)
-No, I can't.
(いいえ、できません)
助動詞の疑問文では、主語の前に助動詞を置きます。そのため「助動詞+S+V原形」という語順になります。
答え方は、聞かれた助動詞を使って答えるというのが原則です。
助動詞の書き換え
次に、助動詞にはどのようなものがあるのか見ていきます。
will = be going to/〜だろう
can = be able to/〜できる
must = have to/〜しなければならない
may = be allowed to/〜してもよい
should = ought to/〜すべきだ
need/〜する必要がある
dare/〜する勇気がある
イコール表記があるものは、同じ意味で書き換え可能な表現になります。
基本的な意味は上記の通りですが、なかには複数の意味を持つ助動詞も存在します。直後の動詞がbeであると、以下の用法になることが多いです。
may,might/〜かもしれない
must/〜にちがいない
cannnot/〜のはずがない
これらは推量の助動詞と呼ばれ、特別な訳し方をするため、きちんと区別しないといけません。
He cannot be a doctor.
(彼は医者であるはずがない)
動詞の部分がbeであることに注目すれば、「医者になれなかった」という誤訳をせずに済みます。
また、助動詞の書き換え問題に関して、要注意すべき助動詞があります。
それが「must」です。must/〜しなければならない」は、ほぼ同じ意味で「have to/〜する必要がある」と言い換え可能です。
実際に、
I must play today.
(私は今日遊ばなければいけない)
I don't have to play today.
(私は今日遊ぶ必要がある)
これらの文はほぼ同じ意味であることが分かります。
このように肯定文では問題なく言い換えができるのですが、否定文では注意が必要です。
I must not play today.
(私は今日遊んではいけない)
I don't have to play today.
(私は今日遊ぶ必要がない)
このように意味が変わるので、「must」と「have to」は肯定文で同義でも否定文になると意味が異なると覚えておいてください。また、「have to」の文を疑問文にする場合、「Do」を使うことも注目です。
これに関して、疑問文へ答える際も気をつけるべきポイントがあります。
Must you study today?
(あなたは今日勉強しなければなりませんか?)
‐Yes, I must.
(はい、勉強しなければなりません)
これは普通ですが、問題は「No」で答える場合です。
‐No, I must not.
(いいえ、勉強してはいけません)
こちらは応答関係が成り立っていないことに気付きます。正しくは、
-No, I don't have to.
(いいえ、勉強する必要はありません)
となります。このように答えの「ねじれ」が起こるのは「must」のみなので、「must」の疑問文に「No」で答えるときは、「have to」を使うと覚えておいてください。
助動詞の時制
助動詞の文の時制は、どのように考えれば良いでしょうか。どの時制であっても、公式上、動詞は原形を用います。
そこで、助動詞そのものの形を変えます。
will→would
can→could
must→ had to
「will」や「can」のように過去形となる単語があるものはそれを用いて、「must」のように過去形となる単語がない場合は、同義語を過去形にします。
また、未来を表したい場合は、「will」を用いて「will+助動詞の書き換え」の形になります。
このとき「1文に助動詞は1つまで」というルールがあるので、元の文で使われている助動詞と「will」の両方を使ってはいけません。
I can speak English.
(私は英語を話せる)
この文を未来形にすると、
I will be able to speak English.
(私は英語を話せるようになるだろう)
ポイントは「be」です。助動詞の大原則「助動詞+動詞の原形」があるので、be動詞は原形の「be」となるのです。
このようにして、「助動詞+動詞の原形」というルールを守りつつ、時制を表現することができます。
助動詞の応用
助動詞の用法に他の文法を組み合わせて、いろいろなニュアンスを表現できます。以下のようなものがあります。
公式
助動詞+have+過去分詞
@過去の出来事について、今の時点で推量する
She must have been ill.
(彼は病気だったに違いない)
A実現しなかった過去の出来事
助動詞は、shouldやneedを使い、「〜だったのに」と訳します。これらは「事実とは違う事を述べる」際に用いられるので、注意してください。
例えば、
He should have gone to bed,last night.
(彼は昨晩、早く寝るべきだったのに)
この文には、直接的には書かれていないものの、「実際は早く寝なかった」というニュアンスがあります。
willの特別用法
willには、次のような特別な用法があります。
He will play soccer.
(彼はどうしてもサッカーをしようとした)(固執)
He will not play soccer.
(彼はどうしてもサッカーをしようとしなかった)(拒絶)
He would play tennis.
(彼はテニスをよくしたものだ)
他にも過去の習慣を表す表現として、「used to〜/よく〜したものだった」があります。
He used to play tennis.
(彼はよくテニスをしたものだった)
that節のshould
that節中では無条件で「should」を使うと決まっているケースがあるので、紹介します。
He must be friendly that he should tell me the way to his house.
(私に家までの行き方を教えてくれるなんて、彼は友好的に違いない)
「friendly」は「友好的」という主観的判断を伴う語なので、that節中で「should」を用います。他にも、「pity/残念」、「crazy/狂っている」などが、主観的判断を表す語になります。
このケースでは「should」は省略され、「that S V原形」になることが多いです。
He suggested that we go to the party.
(彼はパーティへ行くべきだと提案した)
他にも「insist/主張する」、「order/命令する」、「necessary/必要だ」の目的語となるthat節が該当します。
祈願・譲歩を表すmay
May you are happy.
(あなたたちが幸せでありますように)
Whatever you may say, I will trust.
(あなたが何を言ったしても、私はあなたを信じるだろう)
強調のdo
「do」を助動詞として使うと、「本当に」という強調の意味を持ちます。
I did stay home.
(私は本当に家にいた)
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