慶應通信のレポートの書き方:文献読解と文章作成の相互作用

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レポートの70%は書く前に決まっている

レポートには、「インプット」と「アウトプット」という2つの要素があります。インプットはテキストや文献の読解、アウトプットは文章作成を指します。

 

「レポートを書く」と言うと、どうしてもアウトプットが中心の作業になると思いがちです。確かに、レポートの形式や論述の流れを守るのは、すべてアウトプットのテクニックです。

 

ただ、レポートが合格する上でインプットが占めるウェイトは、少なく見積もって7割はあります。

 

つまり、レポートの70%は書く前に決まっているのです。

 

当たり前ですが、何をアウトプットするかは、何をインプットしたかで決まります。科目の知識がなければ、どんなにレポートのテクニックを持っていても、文章を書くことはできないからです。

 

このように、書き手の理解度が如実に表れる文章の世界において、インプットはすべての基本となります。実際に、レポート完成までに要する時間や上達の難易度は、インプットの方が格段に上なのです。

インプットをおろそかにすることの弊害

実際のところ、テキストや文献の読解はレポートの勉強のなかでも最も手応えがなく、時間がかかる勉強です。

 

ただ、このインプットを手短に済ませてしまうと、その後の勉強がストップします。

 

例えば、テキスト理解はレポート課題の解釈と密接に関係します。テキスト内容を正確に理解して初めて「レポート課題で何が問われているか」について考えることができるからです。

 

また、文献読解は考察の方向性を決める際に重要な役割を果たします。文献を参考に考察の題材やアプローチを決めるので、自分の考えだけでは考察を加えることができません。

 

このようにインプットを軽視すると、合格はおろか、まともな文章が書けません。レポートを「書く」上で、「読む」という過程ががいかに重要か分かると思います。

 

読解力の向上には、同じ箇所を何度も読み、文章の意味を考える習慣が重要です。

 

理解できない箇所は仮説を立てて読み進め、矛盾が生じたら仮説を修正しましょう。この繰り返しにより、少しずつ真意に近づけば良いのです。

文章表現は読んだ文献から影響を受ける

先ほど、何をアウトプットするかは、何をインプットしたかで決まると言いました。

 

これに加えて、どうアウトプットするかも、インプットによって決まります。読解力が向上することで、同時に文章作成も上達するからです。

 

このように文章の構成や表現は、読んだ文献から影響を受けます。この知識を応用すると、文章が上達する方法が見えてきます。

 

普段から論理的な文献に触れ、自分の文章に取り入れることを考えながら読めば良いのです。

 

最初は、語尾や接続詞の使い方といった単語レベルでの影響を受けます。次第に、文章構成や考察の方向性といった深いところで似てきます。

 

そのため、レポートが合格するには、テキストの文章に慣れ、それを違和感なく理解できるようになることが必須条件です。

 

テキストの文章は「レポートの合格基準」とも言えるので、テキストを掘り下げた文章を書くことで、必ず評価されます。

 

慶通生たるもの、普段から読むものに気を付けることが大切です。意識的に論理的な文章にあたり、その特徴に留意しながら何度も読むようにしてください。

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