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レポート課題は問題ではない
レポートには、「テーマ」「問い」という2つの要素があります。これらの共通点は、レポート課題から自分自身で設定し、レポートの方向性を決めるという点にあります。
なかには、「テーマ」「問い」を決めずにレポートを書き始める人がいますが、これではレポート課題に答えることはできません。
レポート課題は「問題」ではなく、指示だからです。
レポート課題とはあくまで「問題を設定せよ」という指示なので、これに気付かずレポートを書くことは、問題がない状態で問題を解こうとしているのと同じです。必然的に漠然とした内容となり、答えを出すことができません。
このようにして、結論がないレポートが生まれるのです。
これについて例を挙げて説明します。
「江戸時代の農民について自由に論じなさい。」というレポート課題があるとします。
この課題には、具体的な問題は載っていません。むしろ、「江戸時代の農民について、自分自身で適切なテーマを設定せよ」という指示が含まれています。
そのため、そのままでは扱うことができません。そこで必要になるのが、テーマと問いです。
レポートはテーマに加えて、問いが必須である
テーマと問いはレポートの最初の段階で設定するという点で共通しているので、どうしても混同しがちです。
ただ、レポートの具体的な内容を決める点で違いがあるので、両者の役割の違いを認識することが大切です。
先ほどの「江戸時代の農民について自由に論じなさい。」というレポート課題では、論じる範囲が広すぎて、レポートを書き始めることができません。
そこで、この課題のうち自分がレポートで扱う内容を限定します。
これがテーマ設定です。テーマは「〜について」という形で明記しましょう。
例えば、「江戸時代の農民の衣食住について」というテーマを設定すれば、論じる範囲はかなり限定されます。これにより、レポート内容がイメージしやすくなり、必要な勉強内容も判断できるようになるのです。
さて、「江戸時代の農民の衣食住について」というテーマは決まりましたが、これだけでレポートを書くことができるでしょうか。
おそらく「論点が分からない。」「何を解決すれば良いか分からない。」という壁に突き当たります。
なぜなら、テーマは論じる範囲であり、具体的な論点までは教えてくれないからです。
そこで、論点を明確にして結論を出す必要があります。つまり、「答えを出すために必要なものは何か?」という話になります。
それが、「問い」です。
このようにレポートはテーマだけでは書けません。テーマに加えて、問いが必須なのです。
テーマから問いを作る方法
テーマ設定後、問いを設置し、答えを出せるようにしておきます。
問いはテーマから設定します。テーマの範囲内であれば、自由に決めることができます。
これについても、例を挙げて説明します。
先ほどの「江戸時代の農民の衣食住について」というテーマのもと、問いを立てます。どのような問いを設置するかによって、レポートの方向性は大きく決まります。
このように言うと難しそうですが、考え方は非常にシンプルです。
疑問文を作れば、必然的に問いになるからです。
例えば、「江戸時代の農民の衣食住は、平常時と祭事ではどのような違いがみられるか。」と、テーマを疑問文にするだけでも、問いとして認められます。
また、少し難易度を上げて、「江戸時代の農民の衣食住の変遷の歴史は、どのようなものであったか。」という問いでも問題ありません。
このように、1つのテーマに対して、問いは無数に考えられます。その分答えも存在しますが、テキスト内容を踏まえて考察を加えられていれば、問題なく合格できます。
この答えこそ、レポートの結論です。
テーマと問いの必要性、違い、関係性について理解できたでしょうか?
両者の役割は似ていますが、問いに答えることで結論を出し、それをもってテーマについて論じるという関係があるのです。
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