「教育心理学」レポートで学ぶ、考察を加えるポイント

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「教育心理学」は、私たちにとって身近な「教育に関するテーマ」を扱います。

人の認知構造や個性が現れる仕組み、やる気を上げる方法などの重要な示唆を与えてくれるので、親御さんを含めて教育に携わるすべての人にとって非常に重要な学問分野です。

私自身も思い入れが強い科目で、この科目で卒論を書きたくて類変更をした程です。そんな「教育心理学」の魅力について、レポートの書き方と共に説明したいと思います。

著作権の関係上、レポート課題は掲載できませんが、テキストの章末問題から選択する形になっています。内容としては、自分自身の経歴に対して考察を加えることです。

こうした視点が求められるレポートは珍しいので、どのように述べていけば良いか解説します。まずは、実際のレポートを見てください。

本節では、私自身の個性がどのように形成されたかを考察する。テーマは社交性の変化についてである。そのため、私の「少人数行動主義」の形成過程について考察を加える。

小学生時代の私は交友関係の広い方ではなかった。仲の良い友人と3人程度で行動することが多く、大人数となると気の合わない人がいるため、集団を避ける傾向にあった。しかし、高学年から中学生時代にかけて人前に出ることに憧れ、生徒会役員などに立候補し、自然に多くの人と接するようになった。

～中略～

私の社交性は、このように自らの意識改革と、それを受け入れてくれた学級の影響によって大きく開かれたと言える。しかし、社交性が持てるようになったといっても、上述した「少人数行動主義」は現在も私の個性である。

～中略～

こうした個性は高校時代により強く確立されたと考えられる。私は、陰口や悪口を言いながら付き合う学校文化に疑問を感じ、少人数で行動することに対して私同様の意義を感じる友人を探し、その考えを深めた。ここまで私自身の個性形成について考察を加えたが、やはり大きな影響は学級という社会であると考えられる。

当レポートでは「自らの社交性の変化」に着目し、分析しました。

まず、社交性を測る指標を定める必要があるので、「行動人数の変化」という視点を取り入れます。行動人数と社交性の間には相関関係があると考えられるからです。

次に、行動人数に影響を及ぼした出来事を列挙して、考察を加えるポイントを探します。

少人数行動主義→意識改革→社交性が広がる→社交性への懐疑→再び少人数→同じ考えを持つ人からの影響→少人数行動主義という一連の出来事に対して、次のように考察を加えます。

つまり、最初の少人数行動主義は選択の余地がないのに対して、最後のそれは自ら選択した個性だということです。少人数行動という概念は社交性の有無によって異なるので、このように整理することで、自身の認識変化について踏み込んだ考察が可能になります。

私の場合、「社交性」をテーマとしましたが、別のテーマでも問題なく展開できます。当レポートで重要なことは、個性が環境を選び、環境が個性を開花させるという論理なので、環境と個性の相互関係に注目すれば良いのです。