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卒論執筆における2年間はあっという間
卒論は最短でも2年かかります。これは、半年ごとに実施される卒論指導を3回以上受ける必要があるためです。
私の場合、2010年3月に卒論登録をして、2012年3月に卒業しました。
概観すると、2010年10月に初回指導を受け、2011年5月に2回目の指導で「卒業予定申告」が許可され、同年10月の指導で「卒論提出」が許可されました。11月末に卒論を提出し、翌年3月に卒業しました。
このように卒論に要した時間は、卒論指導登録からちょうど2年間です。私は卒論執筆前、「1つ論文を書くのにどうして2年もかかるの?」と不思議に思っていました。
ただ、2年で完成すればかなり早い方です。理由はシンプルです。
2年間で卒論指導は4回しかありません。4回目の指導は提出許可をもらう回なので、実質3回の指導で提出できる状態まで高める必要があります。
次回指導まで半年間、自分一人で正しく進めなければならないことを考えると、「2年間で卒論を書く」というのは、決して長くないということが分かります。
卒論完成までの道筋
実を言うと、3回の指導の他に特別に時間を作って頂きました。初回指導からわずか1年後に提出することができたのは、全5回指導を受けることができたことは間違いありません。
ただ、回数が多いだけが理由ではありません。1回1回の指導をどう活かし、その時点からの最短卒業完成を実現させたのかについて、卒論指導の内容と一緒に紹介したいと思います。
初回指導
初回指導では、テーマの確認と今後のおおまかな流れを指導してもらいました。
卒論の最初の関門は、テーマ設定です。どの教授も言いますが、卒論のテーマはとにかく絞ることが大切です。分野を絞らなければ、担当教授が決まらず、期限内に卒論を書き上げることができないからです。
卒論の基本精神は、テーマを狭く設定し、内容を深く書くことなのです。
私の場合、初回指導前にきちんと卒論テーマを絞る機会があったので、再設定なくスムーズに進めることができました。そのため、おおまかな章立てや今後の予定など、卒論の方向性を示して頂くことがメインの内容となりました。
以上の内容を半年後までに形にして持ってくるという宿題を得ることができました。
第2回指導
半年間で卒論の構成を固め、簡単ですが本文も記載して、第2回指導に臨みました。
結果は…引くくらいにダメ出しの嵐を受けました。その中で完成形のクオリティの高さを痛感し、同時に、とてもじゃないけど半年後に提出できるペースではない事を理解しました。
翌年3月に卒業を希望する場合、5月指導の際、卒業予定申告許可を得る必要があります。もちろん、予定申告を提出しても11月末に卒論提出ができなければ卒業できませんが、とにかく一筆書いていただく必要があります。
そこで、「必ず終わらせる」ことを約束し、実験の方法についての指導を受けました。
この第2回指導によって、学術論文そのものに対する考え方が正されたことは間違いありません。三田キャンパス近くのサイゼリアでやけ食いをしながら、現実の厳しさをひしひしと感じた事を覚えています。
これまでの文章をすべて消し、心を入れ替えて卒論提出に向けた再スタートを切りました。
第3回指導
第3回指導は特別に時間を作っ頂き、本来第2回指導で行うべきだった内容確認をお願いしました。
私の卒論は「理論+実験」という構成になっているのですが、このときは徹底的に理論の部分を固めました。教授は努力の跡を認めてくれ、実験処理の方法について細かく指導してくれました。
この指導によって、私の中に、卒論の方向性と終着点がはっきり見えました。
第4回指導
7月試験で卒論以外の卒業所要単位をすべて満たしたので、全てのエネルギーを卒論に注ぎ込みました。
この時期は、ひたすら実験を行っていました。ただ、なかなか理論に沿う結果が出なかったので、この実験結果をどう結論付ければよいか途方にくれていました。
そこで、教授に指導をお願いし、再度特別に指導を行って頂きました。その際頂いた指示内容は、まさに目からうろこであり、私の人生観そのものを震撼させるものでした。
それは、「仮説が支持されなければ、なぜ効果が出なかったかについて考察すればよい」というものです。
この言葉によって一気に解決の糸口が見え、全体を有効に練り直しました。
第5回指導
第5回指導は10月の正規指導の直前に、特別に用意して頂きました。
指導前に本文をメール提出していたので、今までにない位、スムーズな回となりました。修正点と疑問点についての指示を受け、「修正後、提出して良い」という言葉を頂きました。
その瞬間、念願であった卒論提出が許可されました。10月指導を受ける必要もなくなりましたが、納得いくまで推敲を続け、11月末に提出しました。
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