サスペンスドラマ

「心理学U」レポで学ぶ、記憶のメカニズム

展望的記憶

今回は心理学レポートを一部お見せして、人間の記憶のしくみについて説明していきます。

 

1995年以降の人間の記憶に関する実験を紹介してください。またそれを実験の役割に関するテキストの内容と関連付けして論述してください。※著作権の関係上、課題の文章は変えてあります。

 

この課題では、認知メカニズムについて述べます。実際の例を挙げることで、テキスト理解が深まり、またレポートにも説得力が増します。自分というフィルターを通して論述、考察することが大切です。

 

それでは実際のレポートを見ていきましょう。

 

「明日歯医者に行こう」といった未来の行為に関する記憶を「展望的記憶」という。

 

展望的記憶を想起するためには、「歯医者に行く」という「意図の内容」の想起(以下、内容想起)と、「何か予定があった」という「意図の存在」の想起の両方が必要になる。
内容想起は存在想起を手掛かりにできるのに対して、存在想起の方はタイミングよく自発的になされなければならない。

 

しかしながら、人は自らの記憶力の限界を知っている(「メタ認知」という)ので、予定を手帳に書き込み、時折それを見返しながら行動するのである。
例えば「今日の予定はなんだっけ」と思い手帳を開き、歯医者の予定を思い出す。
この時、「手帳を開く」と言う行為は内容想起を補助しているが、何かすべきことがあるという意識を起こすのには役立っていないという点に注目せねばならない。
意図の存在そのものには物質的な補助がなく、つまり展望的記憶というものは、存在想起と言うメカニズムを持つ点で回想のような過去に対する記憶とは区別される。

記憶の2段階モデル

記憶には2つの段階があります。

 

見聞きした情報は、脳の中にある「記憶の箱」に入ると思ってください。

 

1つ目の箱は「短期記憶」

一時記憶のうち選ばれた情報だけがこの箱に入ることができます。

 

脳の「海馬」を聞いたことがあるでしょうか?海馬は親指くらいの大きさで、必要な情報を約一カ月間限定で保存します。
試験のために勉強した内容が、試験が終わって少し経つと忘れてしまう事、覚えられる量にも限度があるのは、短期記憶の特徴なのです。
この短期記憶、性能の悪いSDカードのようなものです。同窓会をする度に茫然としてしまうことでしょう!笑

 

 

2つ目の箱は「長期記憶」

短期記憶のうち選ばれた情報がこの箱に入ることができます。

 

脳の「側頭葉」で長期記憶を保存するので、「無制限、無期限」に記憶しておくことができるのです。
超高性能SDカードといったところでしょうか。必要なときにいつでも思い出すことができます。
例えば仕事で毎日繰り返している作業は忘れませんよね?繰り返し思い出す過程で、生きるのに必要な情報であると脳が判断して、長期記憶へ運ばれるのです。

 

 

まとめると、

 

・記憶することとは、情報を箱に入れること

 

・思い出すこととは、箱から情報を取り出すこと

 

・情報は、「短期記憶」→「長期記憶」の順に移動すること

 

となります。

エビングハウスの忘却曲線

これまでに様々な心理学者が忘却の仕組みを明らかにしています。特に有名なのは、自らを実験台にしてデータを取った心理学者エビングハウスです。

 

エビングハウスの実験

エビングハウスの実験は、関連性のない単語を覚え、一定時間おいてから、その後もう一度覚えるときにどれだけ手間を節約できるかで、忘却率を捉えるという方法です。
例えば、最初にある単語群を覚えたときと、二度目にそれらを覚え直したときの手間が全く同じだったなら、まったく節約できてないので、節約率0%=忘却率100%です。二回目が一回目と比べて、覚える手間が半分になったなら、節約率=忘却率50%です。

 

このエビングハウスによる実験の結果、次のような忘却の仕組みが分かりました。

 

一度覚えたことは、何も復習されない場合、

 

20分後、42%忘れ、58%覚えている。
1時間後、56%忘れ、44%覚えている。
1日後、74%忘れ、26%覚えている。
1週間後、77%忘れ、23%覚えている。
1か月後、79%忘れ、21%覚えている。

 

 

一日で70%以上を忘れてしまうという結果は衝撃的ですね!

 

 

ではいつ復習すれば効率的かも分かっています。

 

お勧めはズバリ、1時間後と1日後です。

 

なぜこのタイミングかと言うと、1時間後なら忘れかけている記憶を簡単に戻すことができますし、1日後に記憶を戻すとその後の忘却が緩やかになるからです。
忘却の仕組みを知って、効率的に学習しましょう。

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