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作文とレポートの違い
単なる作文と小論文やレポートの違いは、明確なテーマを持っているかどうかです。そのため、序論の段階で、ある程度勝負は決まっています。漠然としたテーマでは、高度な論述などできないからです。
このことについて理解してもらうために、一度レポートから離れ、別の文章を扱いたいと思います。
小学生の時に書いた「作文」です。遠足や運動会の度に書かされた「作文」には、実はすべての文章の基礎が詰まっています。
A:運動会について書きなさい
B:運動会のリレーで学んだことを書きなさい
というお題があったとき、どちらの方がが書きやすいと思いますか。
このページでは、これについて解説することで、今回の講義を進めていきます。
作文を書く際、最初に考えることは「題材」です。この文章では、「何を扱うか」です。
Aの「運動会について書きなさい」では、この題材が読み取れません。ただ、分からないからと言って、出来事を時系列に並べるだけでは、どう考えてもマズいことが分かります。
そこで、具体的な題材を決めます。漠然と「運動会」を考えるのではなく、「具体的なイベント」に焦点を充てます。
例えば、リレーで一等賞になったことや、係活動などです。それが決まれば、「毎日リレーの練習をして一番になれたから、練習の大切さを書こう」といったように、明確なテーマが決まります。
ここで注目したいことは、お題がそのままテーマになることはないということです。テーマは原則、自分で見つけるものだからです。
今回の場合、「運動会(お題)→リレー(絞る)→練習の大切さ(テーマ)」という思考のプロセスを経て、テーマを決めました。つまり、「運動会」という漠然とした題材から、「練習の大切さ」という具体的なテーマへ向かっているのです。
このプロセスを必須とさせる課題ほど、論述の難易度は高いと言えます。そして、最初の質問は、まさにこれを問うたものです。
Aを選んだ人は、実際に作文を書くにあたって、上記の思考が必須になります。あるいはそれに気づかず、ただ時系列に並べ、読み手から「だから何?」と思われてしまいます。
一方で、Bの課題を選んだ場合は、この必要はありません。「リレーで学んだことについて書きなさい」という指示は、既に充分具体的なので、テーマが思い浮かびやすいのです。
このように、一見「指示が多い課題」ほど、実は丁寧だということを認識して下さい。
テーマは具体的であればあるほど良い
慶應通信のレポートでは、テーマを絞る能力が求められます。
レポート課題は非常に漠然としているので、課題がそのままテーマになることは、ほとんどありません。課題をて最初に考えることは、「このレポートは何がテーマかな」なのです。
例えば、「江戸時代の農民について論じなさい」という課題があるとします。この課題を文字通り受け止めると、江戸時代の農民のすべてを論じる事になります。
ただ、それは、どう考えても不可能です。実際には、そんなことは求められておらず、課題の中から適切にテーマを絞ることが求められます。
例えば、「江戸時代の農民の衣食住について」とテーマを絞れば、結果的に課題の要求に答えることができます。
このようになるべく「具体的な」テーマを決め、そこに焦点を当てることで、 説明する項目が見えてきます。
よく「レポートで、どこまで書けばよいか分からない」と言う人がいますが、これに対する答えは、「テーマを絞る」ことだと言えます。最初は勇気がいるかもしれませんが、論述では正しい方法なので問題ありません。
切り口を決める
このように言っても、テーマ設定だけでは不十分です。レポートで論じる範囲は明確になっても、それをどういう方法で論じていくかが見えてこないからです。
例えば、「江戸時代の農民の衣食住について」というテーマでレポートを書こうとすると、年代ごとにまとめたり、出来事でまとめたりと、いくらでも方法があります。方法が決まらなければ、次に進むことができません。
このようなわけで、テーマを絞るだけでは、レポートとしては不十分なのです。
そこで、アプローチ方法を明確にする必要があります。テーマに対して、自分なりの切り口を決めるのです。
このように言うと難しそうに感じますが、実際は簡単です。「〜という観点からみて、…(テーマ名)について」という形でテーマを作れば良いのです。
例えば、「江戸時代の農民の祭事からみる衣食住について」とすると、「祭事と平常時の比較」と明記されているため、アプローチ方法がハッキリしています。
このように「論述」のテーマ設定には、コツがあります。
・できるだけテーマを絞る
・テーマに対する切り口を決める
テーマ設定する際は、この2点を意識するようにして下さい。
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