サスペンスドラマ

モチベーションの話

卒業が自分との闘いと言われる本当の意味

モチベーションというものは、往々にしてとても不安定です。慶通生は常にこの不安定な気持ちと戦わなければなりません。慶應通信が自分との闘いと呼ばれる所以はここにあります。

 

私の卒業までの6年間を概観すると、

 

何をやったらよいか分からず、ほとんど何もやらなかった最初の2年間

 

積もり積もった不安が一気に爆発した次の2年間

 

卒業が現実的になり一心不乱に進んだ最後の2年間

 

このように3つに区切ることができます。

 

何を基準に区切ったかというと、モチベーションの変化です。このページでは、慶應通信で成功するために重要な意識の変化を紹介します。

「めんどくさい!という気持ちは捨てる」までの道のり

入学式に叩き込まれる先入観

 

私は長い間、慶應通信のことを「不可能への挑戦」と本気で思っていました。その理由は、「入学式」にあります。次の言葉は、今でも鮮明に覚えている祝辞です。

 

「皆さんは勉強を頑張ってこの場にいるのではありません。なので私はあえて入学おめでとうは言いません。入学おめでとうの代わりに、あなたたちが卒業するとき、心から卒業おめでとうと言ってあげたいと思います。」

 

「慶應通信の卒業率は5%ほどしかないので、大変厳しい世界です。もしもあなたが卒業できたなら、そのときは今とまったく違う人間になっていることでしょう。」

 

「卒業論文を完成させるのには最低でも2年かかります。そのため4年で卒業することはかなり難しいのです。」

 

私にとってこの入学式は、慶應通信の卒業の難しさを感じるには十分のものでした。帰り際に慶友会から「通信は孤独だから一緒に頑張りましょう!」と勧誘されましたが、まるで入学式の続きを見ているようでした。こうして不安だけを胸に私の大学生は始まりました。

 

「もしかして、通信て穴場?楽勝?」というビギナーズラック

 

なんでもそうですが、ハードルを一度高く設定しておくと、困難なことでもそれほど難しく感じません。卒業への道が険しいという話をしつこいくらいに聞かされた直後だからこそ、意外と簡単に単位が取れてしまうことがあるのです。

 

多くの場合、最初に取る単位は7月試験か、夏期スクーリングになります。よくあるパターンとしては、「英語1」や「英語2」を最初に手掛けますが、これらの科目は中学〜高校初級レベルの実力さえあれば受かります。スクーリングに至っては、何を受けても落ちる方が難しいです。

 

こうして最初に書いたレポートやスクーリングが難なく受かると、入学当初から抱いていた不安は消え去ってしまいます。

 

ただ、言っておきます。これはビギナーズラックのようなもので、長くは続きません。しかも一度気が緩んでしまうと、高い壁を乗り越えるのはより困難になります。

 

実際に私はこの罠にはまり、1年目の取得単位は20単位にも満たず、このペースでは4年卒業が不可能であることを確信しました。

 

底辺まで落ちた科目試験

 

科目試験に関する最悪の思い出があります。

 

10分程遅刻して入室し、一番最初に退室しました。入室時間はわずか15分、もちろん解答用紙は白紙のままでした。その回は1科目しか受験科目が無かったので、私の科目試験はそこで終了。こうして3ヶ月に1度のチャンスを、たった15分で潰してしまったこのです。

 

当時にテスト対策の仕方は、相当杜撰なものでした。行きの電車でテキストを読むだけです。

 

科目試験を受けるたびに、「次の科目試験こそ、受験票いっぱいに受験科目を載せよう」と決意するものの、試験から解放されるとすぐに忘れてしまい、期限に迫られて1本だけ提出するという生活を続けていました。

 

こういった学習態度によって3ヶ月に1度しかない単位取得のチャンスをつぶし続け、長い間、科目試験という壁を越えられないでいることに気が付きました。自分自身への呆れにも飽き、セルフイノベーションの必要性を強く感じました。

 

卒業への基本精神の設定

 

自分の内面世界を探ると、「できればあまり頑張りたくない」、「できるだけ少ない努力で卒業したい」という正直な気持ちがありました。入学当初の危機感は、ただの堕落に変わっていたのです。

 

ただ、慶應通信でこのような意識でいると終わります。100%の実力でも足りないのに、頭も足も使わず横着することばかり考えていたら、そもそも100%の実力など出せるわけがないからです。

 

そこで、「めんどくさいという気持ちは捨てる!」というマインドセットを設定しました。それによってすべての行動が変わったので、これは通信生に絶対必要なマインドセットだと言えます。

 

チャンスをチャンスと気づけ

 

こうして少しずつレポートを書き始め、3年目の科目試験で、初年度以来の3科目受験ができました。

 

結果は全て合格。1日で6単位を取りました。

 

ただ、このときは初めから3科目受験を狙っていたわけではありません。前回の不合格科目も重なり、たまたま複数科目を受けられ、それがすべて受かったというものでした。

 

誰にでも1度くらい、これ位のラッキーはあります。ただ、これを単なるラッキーと思うか、未来へのチャンスと感じるかの違いは大きいです。

 

私の場合、この合格通知書は、「自分は将来卒業できる」というメッセージだと感じました。そして、このように思えたことが現状打破のきっかけになったことは間違いありません。

 

チャンスを増やせ

 

3年目までの自分を振り返った時、単位の収入源が夏期スクーリングになっていました。

 

ただ、夏期スクーリングで最大限頑張って取得する12単位という数字は、たった1度の科目試験で取ることができます。このことを考えたとき、とにかく単位を取るチャンスを増やすことが何よりも重要であると感じました。

 

実際に、科目試験ごとに6科目受験をする人は、年に何度も夏期スクーリングに行っているのと同じです。一方で、1科目しか受験しない人は、試験問題を見た瞬間に終わります。

 

当たり前ですが、科目試験を受ければ受けるほど、単位をとれる確率が上がります。そして、そのうちの半分受かるだけでも大きな収穫になります。実際に2単位×6科目を毎回受けていくのと、1科目だけで細々とやっていくのでは、1年後に大きな差がつきます。

慶應通信を卒業することの本質

慶應通信を回転させるために何より大切なことは、多くのレポートを提出し、複数の科目試験を受けることです。そこで、私は戦略的に試験科目を決め、計画通りにレポートを仕上げることに注力しました。

 

当時の私の目標は次のようなものでした。

 

科目試験では5科目以上、10単位以上

 

まず、科目試験ごとに10単位取得することを目標としました。これは、2単位科目を5科目取れば達成できます。当然、日程として重ならない科目のレポートに取りかからないといけません。

 

ここで少しだけシステムの話をすると、科目には群というものがあり、同じ群に属す科目は同時間帯に行います。そのため、同じ群のレポートをいくつ提出しても、1度の科目試験で1つしか受けられません。

 

そのため、群まで見て、レポートの候補を絞ります。その後、レポート課題と科目試験過去問を確認し、最終的な履修科目を決めました。

 

このようにレポートと科目試験の両方を見て、総合的な難易度を割り出すことは重要です。経験から、レポート課題が少々難しくとも、科目試験が易しい科目を選んだほうが良いと言えます。レポートは正しい書き方さえ抑えれば、必ず受かるからです。

 

反対に、科目試験が難しい場合は後々困ります。科目試験はその場で分からない問題が出たらどうしようもなく、退出する以外に選択肢ないからです。

 

そのため、科目試験が簡単そうな科目には、普段から目を付けておくと良いでしょう。最たるものが「テキスト持ち込み可」の科目です。テキストを正しく書き写すだけでまず落ちないので、受けられるものは全て受けることをお勧めします。

 

レポートこそ卒業へのカギであることを理解する

 

3・4年目は、レポートの書き方を真剣に学び、基本に忠実なレポートを意識した時期でした。すべてを一から学び直す必要があると感じ、また、それが最短距離であることを確信したからです。

 

その結果、レポートの構成が変わると同時に、内容も課題で本当に求めていることを盛り込めるようになりました。

 

私はよく言っていますが、レポートとは「根拠を持った者通しの対話」です。テーマと問いを的確に設定し、読み手に提示するところから始めないといけません。

 

そのため、誤解を恐れずに言えば、「レポート課題は変えて良い」のです。

 

レポート課題とは、あくまで学習範囲や分野などの外枠が記載されているにすぎません。そのような広い範囲を、たった4000文字ですべて網羅ですることは到底不可能です。当然、教授もそんなことは要求していません。

 

そこで、課題を絞りテーマを明確にすることが大切です。これが上述した「レポート課題を変える」ことの本当の意味です。

 

レポートとは、自分が論じていくテーマについて、自分なりのアプローチ方法をアピールする場だと捉えてください。ただ、客観性を失ってはいけないので、あくまで根拠のある対話を意識するということです。

 

これに関して、私がよく使った手は、テキスト批評です。これは、「自分が発した問いに対して、研究者たちはこう考えると思われる。しかし、こうは考えられないだろうか…」と議論を深めていくという方法です。テキスト批評の方法は、こちらのページから学んでください。

 

このような勉強法によって、不合格レポートがどんどん合格していきました。その後レポートで落とされたことは、一度もありません。

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