サスペンスドラマ

論理学 真理関数理論

論理学とは

私たちはある話を聞いた時、直感でそれが正しいか間違っているかを判断できます。その判断基準について調べると、人を納得させる話にはある決まった型があること明らかになりました。

 

論理学とは、この推論の構造について研究した学問です。文を記号化する方法や推論規則など覚えることは多いですが、代表的な理論「真理関数理論」と「量化理論」について簡単にまとめました。

文を命題とみなす方法

すべての文は、内容的に正しいか正しくないかという観点から2つに分けられます。これを文の「真理値」といい、正しければ「真」、間違っていれば「偽」という真理値を持ちます。(このように真か偽かを判断できる文を命題と呼びます)

 

次の推論を見て下さい。

 

前提1…私は野球が好きだ

 

前提2…私はサッカーが好きだ

 

結論…私は野球もサッカーも好きだ

 

2つの前提がともに真であれば、結論も真になります。一方、前提のどちらかでも偽であれば、結論は偽になります。このようにある文の真理値は、それを構成する文の真理値によって変化する「関数」となるので、真理関数理論と呼ばれます。

 

真理関数理論では、推論の際煩雑化を避けるため、文にアルファベットの文字を充てます。これを「文‐記号」と呼びます。さらに、以下の論理結合子と呼ばれる記号を用いて、文‐記号通しを繋ぎます。

 

・否定…「〜でない」(¬)

 

・連言…「かつ」(∧)

 

・選言…「または」(∨)

 

・条件法…「ならば」(→)

 

それでは、これら記号の充て方について、例を挙げて説明します。

 

「私は野球が好きだ」という文を「P」とすると、「私は野球が好きでない」という文は「¬P」となります。

 

「私はサッカーが好きだ」という文を「Q」とすると、「私はサッカーが好きでない」という文は「¬Q」となります。

 

「私は野球もサッカーも好きだ」という文は、「私は野球が好きで、かつサッカーも好きだ」と考えることで、「P∧Q」と記号化できます。

 

次に、論理結合子を用いた場合の真理値について説明します。以下の表のように真理表を書き、真を1、偽を0で表記します。

 

・否定

P Q

 

Pが真のとき、その否定は偽であり、Pが偽のとき、その否定は真になるため、¬には真理値がひっくり返す作用があります。

 

・連言

P Q P∧Q

 

まず左の列に、PとQの真理値のすべての組み合わせを書きます。あとは「かつ」という言葉が持つ意味の通り、PとQがどちらも真の場合のみ、全体として真になります。

 

・選言

P Q P∨Q

 

「または」という言葉が持つ意味の通り、PかQのどちらか一方でも真であれば、全体として真になります。

 

 

・条件法

P Q P→Q

 

まず、矢印の前を前件、後ろを後件と呼びます。条件法で留意したいことは、前件が偽の場合、後件の真理値に関係なく、全体として真になるというルールがある事です。

 

これについて、「明日晴れたら、動物園に行こう」という例文で考えてみましょう。

 

前件が偽と言うのは、「晴れなかった」場合の話になります。ただ、例文では晴れなかった場合に関して、何も言及していません。そのため条件法では、前件が偽の場合は、偽とすることはできないため、真と扱うわけです。

 

真理関数理論と正しい推論

それでは、実際にこれらの式を用いて、推論を行っていきます。

前提:図形Aが三角形であれば、図形Aの内角の和は180°である

結論:図形Aの内角の和が180°でないならば、図形Aは三角形ではない

前提は、前件(ならばの前)をP、後件(ならばの後ろ)をQと置くと、「P→Q」と表せます。結論は前提の対偶を取っているため、「¬Q→¬P」と表せます。

数学の世界では、元の命題が真であれば、対偶も真であることが知られているため、「(P→Q)→(¬Q→¬P)」は正しい推論となるはずです。このような実際の推論に用いられる式を推論式と呼びます。

真理値分析を行ってみると、
P Q P→Q ¬Q ¬P ¬Q→¬P (P→Q)→(¬Q→¬P)

このように、P、Qの真理値にかかわらず、推論式は常に真となりました。これを恒真といいます。

つまり、真理関数理論において正しい推論とは、推論式が恒真になるような推論だと言えます。恒真になるパターンとしては、含意と等値を覚えておいて下さい。

含意
含意とは、前提の内容が結論の内容を含んでいる状態です。前提の中に結論があるので、前提を真と認めた場合、必ず正しい推論となります。例えば、「私は男である」という前提から、前提の対偶「私は女ではない」を結論とする推論です。

実際に推論式を作ってみると分かりますが、条件法では前提が真なら後件も真、前提が偽でも後件は真なので、推論式は必ず恒真になり、正しい推論であることが分かります。

等値
等値とは、前提が結論を含意し、結論も前提を含意しているため、前提=結論の状態です。数学の「=(イコール)」と同意義であり、論理学では双条件法「⇔」を用いて表記ます。

前提と結論は同一の真理値を取るため、推論式は必ず恒真となります。

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