慶應通信の法学のレポート課題や科目試験に合わせて、国会、内閣、裁判所の関係性や権限についてまとめ、三権分立を説明しました

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国会の権限

国会は、国民の選挙によって選ばれた国会議員により運営され、国権の最高機関としての機能を有します。

 

これは日本国憲法の3大原則の1つに、「国民主権」が掲げられているためであり、「国民の代表機関」「国権の最高機関」「唯一の立法機関」と呼ばれます。

 

三権分立の定義によると、国家権力は立法権、行政権、司法権に分けられ、このうち国会は立法権を有します。

 

国会の具体的な機能について、「組織」、「国会議員の地位」、「国会の活動」、「国会の権限」という項目ごとに説明していきます。

 

組織

 

二院制

 

憲法第12条に「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する」と定めています。上院が参議院、下院が衆議院になり、両者は互いに干渉し、討論を重ねます。また両院の権限は同一ではありません。

 

衆議院の優越

 

衆議院だけに認められる権限があり、これを衆議院の優越といいます。衆議院の優越には、「予算先議権」(第60条第1項)、」内閣不信任決議」(第69条)、「法律の議決」(第59条第2項、第3項、第4項)、「予算の提出及び議決」(第60条第1項、第2項)、「条約の承認」(第61条)、「内閣総理大臣の指名」(第67条第2項)が当てはまります。

 

国会議員の地位

 

任期

 

衆議院議員の任期は4年です。ただし任期前に解散となる場合もあり、民意が強く反映されると考えられています(第45条)。参議院議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選されます(第46条)。両院の兼職は禁止されています。

 

議員の特典

 

国会議員は、「不逮捕特権」という特権を持っています。国会議員は国会の会期中は逮捕されず、会期前に逮捕された場合でも、議院の要求があれば釈放されます。また、「発言などの特権」もあり、議院で行った演説の内容について、院外では責任を問われないというものです。

 

国会の活動

 

国会が活動する期間を会期と呼びます。会期は常例のものと特例のものがあり、議論する内容によって、次の3種類に分けられます。

 

通常国会(第52条)

 

1月中に招集され、会期は原則として150日です。

 

臨時会(第53条)

 

内閣が必要だと感じたとき、またはいずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、招集されます。

 

特別会(第54条)

 

衆議院が内閣に解散させられた場合に招集されます。解散後40日以内に総選挙が行われ、選挙日から30日以内に招集される決まりになっています。

 

衆議院が解散された場合、同時に参議院も閉会となります。このとき緊急の問題が生じた場合は、内閣の要請で参議院が臨時に国会を代行します。これを参議院の緊急集会と呼ばれます。このとき取られた措置は、次の国会開会後10日以内に衆議院の同意がなければ失効します。

 

国会を開くために最低限の出席数が必要になり、これを定足数といいます。両議院の定足数は、総議員の3分の1以上の出席と決めれられており、これより少ない場合は議決できません。

 

会期不継続の原則

 

国会は会期を1つの区切りとします。会期中に成立しなかった案件は、後の会期に持ち越すことはできません。そのため、野党はこの時間切れ不成立を狙うこともしばしばあります。

 

国会の権限

 

憲法改正の発議

 

日本国憲法は、改正のハードルが高い硬性憲法として知られていますが、国会の権限により、憲法改正は行われます。各議員の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成があった場合、憲法が改正されます。その後、天皇が公布します。

 

内閣総理大臣の指名

 

行政のトップは、国会が決めます。通常第一党の党首が内閣総理大臣に指名され、天皇が任命します。

 

法律案の議決

 

立法権を有する国会ですが、ここで承認される法律は、もとは内閣の案であることが多いです。これは内閣が国会の信任に基づいて成立していることによります。

 

弾劾裁判所の設置

 

国会は裁判官を罷免することもできます。両議院の議員で組織される弾劾裁判所を設け、裁判官を裁判します。立法や行政に比べて独立の性格強い司法権に対して、国民の信頼を得るための制度と言えます。

 

その他、「条約の承認」、「租税の法定」、「国費の支出及び債務の負担」、「予算の議決」、「皇室財産の授与及び皇室予算の議決」などがあります。

内閣の権限

内核は行政権を持ち、中央政府としての役割を果たします。ただし内閣の独断で政治を行うことはできず、国会と連携して政治を行っています。

 

内閣府について簡単に説明すると、政治の中央組織の内閣府の下に、内閣が管理する各省庁が存在し、内閣総理大臣以下の14名の国務大臣が管轄しています。

 

内閣の組織

内閣は内閣総理大臣と国務大臣で組織され、内閣総理大臣が首長です。国務大臣は各省庁の首長ですが、どこにも属さない無所属大臣も求められています。

 

内閣は国会と密接に繋がっていると述べましたが、このことは内閣誕生の由来を知ることで理解できます。

 

内閣総理大臣は、もともと国会議員です。国会議員の中から国会の議決で指名され、行政の頂上組織である内閣を組織します。閣員である国務大臣も過半数は国会議員でなければなりません。

 

つまり、内閣という組織は国会の信任に成立が由来し、本来的に国会の意向を強く受けざるを得ないと言えます。

 

また、第66条第2項には、内閣総理大臣と国務大臣は文民でなければならないとあります。文民とは、職業軍人や自衛官以外の人を指します。

 

内閣総理大臣の権限

 

国務大臣を任命し罷免すること

 

定員は14名と決められており、内閣総理大臣の独断で進退を決めることができます。

 

その他、「国会への議案提出」、「国務・外交関係の国会への報告」、「行政の指揮監督」、「法律、政令への連署」「国務大臣追訴の同意」などがあります。
内閣は国会の信任のもとに成立し、協力しながら職務を全うするという「議院内閣制」を取っております。そのため、国会からの信任を得られなくなった場合、内閣は存続することができません。

 

その場合、内閣は総辞職します。内閣が総辞職する具体的な状況は、以下のようになります。

 

衆議院が内閣不信任の決議案を可決、または信任決議を否決した、10日以内に衆議院が解散されなかった場合

 

何らかの原因で内閣総理大臣が不在となった場合

 

新選挙の後初めて国会の召集があった場合(しかし第71条により、新たな内閣総理大臣が任命されるまでは引き続き職務を行います)

 

内閣の権限

内閣は行政の中心となって全体を統括し、最高機関としての機能を果たします。国務大臣以下各省庁は、実質的には行政各部が行政権を分担行使しています。

 

また、独立行政委員会と呼ばれる「人事院」、「国家公安委員会」、「公正取引委員会」などは内閣の所轄ですが、事実上独立して活動しています。

 

行政とは国内外の実際的なやり取りなので、内閣の権限は以下のようなものになります。

 

法律を誠実に執行し、国務を総理すること

 

外交関係を処理すること

 

条約を締結すること

 

このうち、条約の締結について補足します。第98条第2項では、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に順守することを必要とする」と定めています。

 

そのため、条約は国家間において、法律と同じ効力を持ちます。条約の内容に国内にかかわる項目があった場合、国内法としての効力も持ちます。

 

その際、憲法との優先度が諸説ありますが、有力な説は、国際社会の一員として最大限条約を尊重するが、憲法に違反するものは認められないという立場です。

 

このことは、条約を締結するのは内閣ですが、承認は国会の権限であることからも明らかです。

 

その他の権限としては、「法律の基準に従い、官吏(公務員)に関する業務を掌理すること」、「予算を作成して国会に提出すること」、「憲法および法律の規定を実施するために、政令を制定すること」、「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること」、「天皇の国事行為に対する助言と承認」、「臨時国会召集の決定」、「最高裁判所長官の使命とほかの裁判官の任命」、「参議院の緊急集会の要求」などもあります。

 

議院内閣制

最後に、内閣を語る上で最も重要なことを述べます。

 

上述したように、「内閣は国会に対し連帯して責任を負う」という議院内閣制を取っています。「連帯して」とは、例えば、衆議院が内閣不信任決議権を持つのに対し、内閣は衆議院を解散させる権限を持っています。

 

これに関して、内閣の衆議院解散権を明示する規定はありません。あるのは第69条の「内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、または信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職しなければならない」という条項のみです。

 

これを「内閣が10日以内に衆議院を解散させられる」と解釈し、実際に運用しているのです。

 

議院内閣制の規定としては、

 

国会の内閣総理大臣指名権

 

内閣総理大臣は国務大臣を任命、過半数は国会議員

 

内閣道理大臣が欠けたとき、初めて国会召集のとき、内閣は総辞職をしなければならない

 

国務大臣の出席県及び求められたときの出席義務

 

内閣は毎回会計年度の予算案を国会に提出し、審議、議決を経る

 

内閣は国会及び国民に対し、毎年1回以上、財政状況の報告をする

 

国会の召集は、内閣の助言と承認により、天皇が行う

 

が挙げられます。

裁判所の権限

裁判所は司法権を持ちます。司法権とは、一切の法律上の訴訟を裁判するという権利です。

 

近代立憲主義の大原則として、「司法権の独立」が挙げられます。裁判所は何より公正さを求められるため、立法権や行政権からの干渉をほとんど受けません。

 

司法権が立法権と行政権から独立しているということは、裁判官は裁判にあたり、他のあらゆる機関から干渉を受けないという事です。

 

ただ、裁判官は独断で裁判しているかと言うと、そうではありません。

 

第76条第3項では「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」とあり、要するに自分自身の良心に従うとされます。職権とは具体的は、「訴訟に関する手続き、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項」です。

 

裁判所の種類

裁判所には、最高裁判所と下級裁判所があります。さらに下級裁判所は高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所に分けられます。最高裁判所には特別な権限があります。

 

裁判所の構成

最高裁判所裁判官は長官1名、判事14名で構成されます。長官は内閣が指名し天皇が任命します。判事は長官が指名し、内閣が任命します。

 

最高裁判所の権限

 

違憲立法審査権

 

国会が制定した法律や内閣が制定した政令が憲法に違反していないか審査し、仮に違憲の場合はその法の失効を言い渡すことができます。そのため、「憲法の番人」と呼ばれます。

 

違憲審査の対象は「一切の法律、命令、規則又は処分」なので、条約は除外されます。憲法と条約の優位性に関しては、一応憲法を上としていますが、国際社会の一員として、必ずしも違憲だから認めないとはならないようです。

 

国民審査

 

これは権限と言うよりも義務に近く、最高裁判所裁判官は、その職に適任であるかどうかについて国民投票による審査を受けます。その結果、罷免されることもあります。

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